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いつでも真面目ちゃん! ~VRMMOでハジケようとしたけど、結局マジメに強くなり過ぎました~(前編)  作者: 亜空間会話(以下略)
8章 百剣抄

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358/360

358 お仕事の備えは入念に!

 どうぞ。

 スポーツクラブから帰ってすぐ、今日は最終話を見た。途中でちょっとだけ微妙な回はあったけど、『ユグドラシル・ネイションズ』はけっこういいアニメだった。どこか『スペクトラW』に似たところがあって、ミリタリー要素もあったから、男の子は大好きだろうなと思った。


 けっこう歴史のある、アニメ多めのサブスクに加入して、とりあえずアニメ一期を観た。一ページ漫画やひとコマ漫画はあったみたいだけど、大まかな世界観のPVや、フィギュアの箱に付いてくるちょっとした説明文くらいしかないから、アニメのお話を作るのはけっこう大変だったようだ。


 いろんな場所で生きていた少女たちが、突如として現れた怪物たちに襲われたり、不思議なきっかけで力に目覚めたりして、寄せ集めのまま戦っていくという……けっこうシビアなのに前向きなお話で、思っていたよりも暗くなかった。超能力やバトルというより、小隊が絆を育んでいく感じで、軍隊モノに近いお話だったかもしれない。


「お、観てる。けっこうちゃんと面白いよねぇ、一期から」

「うんうん。敵のパートが絶妙にSFチックで、あんまり気持ち悪くないし」

「スタチューの方はかなりリアル寄りなんだけど、ホビー寄りにしてサイボーグ虫にしてあるんだよねぇ。人型もちゃんと出たし」

「三期のキービジュアルにいるやつ?」

「そうだよぉ」


 いつも話しているアンナも、こうやって共通の話題になるとたくさん語ってくれる。


「誰がよかった? 私はやっぱ桔梗の子」

「アンナってば、お世話好きの人好きなんだねー。私はアンズのお姉さんかな」

「やばいよぅ、アカネがお姉さんを求めている……!?」

「いや、お義姉ちゃんいるじゃん」

「マジレス!?」

「アンナもさー、わりとどっちがお姉ちゃんか分かんない感じになるときあるし?」


 墨帖さんが持ってきた仕事は、けっこう大変そうなものだった。けれど、自分のことを「貴重な人材」と言ってもらえると、すごく嬉しい。これもまた、立てるステージのひとつだし……私の世界が広まった気がして、なんだか新鮮だった。


「それで、どの子のコスやるの? ベニトちゃん?」

「今度新発売の子……ディエラさんだよ」

「ほほぉ。私はナイラちゃん小鳩ちゃんギミちゃん、あのあたりがいいと思ったけど」

「露出多い子ばっかりー。アンナのタイプって、腕にすっぽりだもんね?」


 だいぶ闇のある子ばっかり選ぶなとも思ったけど、あんまり設定を読み込んでいなかったから、今は黙っておく。


『よーっす!』

「あ、お兄ちゃん来た。行こう!」

「ひゃっふい! お義兄ちゃんだぜぃ!」


 このあいだ買ったフィギュア……なのかプラモデルなのか、両方にまたがっているらしいあれを組むために、兄に連絡を取っていた。一抱えもある箱を持って、階段の下の兄に手を振る。


「おかえりー! ちょっとこれ、手伝ってほしくて……」

「おぉ!? どうしたんだいきなり、美プラなんか買って」

「えっと、仕事関連? で。まだちょっと内緒だけど!」

「オーケー、分かった。道具一式は持ってきたから、さっそくやろうか」




 どういう意味の言葉なのか分からない用語がずらずらっと並んで、もはや馬耳東風な感じだったけど、リビングで三人がかりの作業だったせいか、お風呂に入る前にある程度の形はできあがっていた。


「うーん、やっぱ成形色のほうが初心者向けでありがたいよな。塗りが得意な人も多いっちゃ多いんだが、ガレキやらともまた違うしな」

「換気しっかりしないとだもんねぇ。作業場持ってないと難しいよぅ」

「えっと……? あとはシールとか貼って、武器持ってもらう?」

「ああ、まあそうだな。表情差し替えパーツもあるし、ポージング用の支柱もあるし。ポーズ取ってもらって、撮る角度もあるな……」


 私って毎度へんな人のスイッチ入れてる気がするなと思いながら、撮影にもいろいろこだわっている二人にあれこれ聞いて、何枚も写真を撮った。兄は帰ってからお風呂に入るとのことで、私たちがお風呂から上がるのを待っていてくれた。たぶん大丈夫かな、と思って二人にきちんと共有しておくと、「おー」と拍手してくれた。


「そうかー、二連続で公式様の仕事か。すごいな、本当に」

「アンナには負けるよー、たぶん」

「いや、見える実績は同じくらいだと思うよぉ」

「そうかな……?」


 もう何年もにごフェスの会場やバーチャルライブの会場、XDパフォーマンススタジオなんかを作っているから、「たてわきサフォレ」の名前はそうとう有名だ。お母さんが「大学に行けばいいのに」と言っているのは、その学費を自分で出せるからこその、ある意味での軽口みたいなものだった。


「ちゃんと練習しないとなー……。足だけでぶら下がったりとか、大鎌持って平均台乗るんだよね」

「えっ、ディエラのあの……? 原画御摘方史の?」

「お義兄ちゃん、アカネはスタッフクレジットとか見てないから……」

「うん、なんか切り抜き多いあのシーン。逆さおっぱいの」


 あそこまで揺らすならちょっと盛らないと、と考えていると「やっぱ意識が違うねぇ」とアンナは苦笑していた。

 昔に「シェアワールドやりません?」って言われたとき「世界くらい一人で作れるくね?」と断ったことがあります。今はむしろ自分で作りたいまであるけど、まあうn……私はあくまで一人でしかいられないアカン方の人だし、そういうのは諦めとこう。存在しない記憶系のやつはまたやろう。

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