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いつでも真面目ちゃん! ~VRMMOでハジケようとしたけど、結局マジメに強くなり過ぎました~(前編)  作者: 亜空間会話(以下略)
8章 百剣抄

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352【記録用214】魔王幹部11討伐(5)

 どうぞ。

 私たちは、イニーズ・プレイパークを攻略したあとすぐ、次の「フェルニコラズ」に向かった。ところがあの街は、罪科の数字で入れる人と入れない人を判別する仕組みがあって、当時いろいろやって罪科が十二億くらいあった私は、あそこに入れなかった。


 地上で魔王虫、地下で偽神という二面作戦(?)になったから、結果オーライかもしれないけど、ひとつだけ問題があったのは――


「だからジュリオって誰なの……!」


『罪科十二億さんちっすちっす』『アーカイブ見て、どうぞ』『↑ほんそれ』『フェルニコラズで偽神封印してた勇者やん』『唯一イベント前から聖剣持ってた人ですね』『名前聞いてなかったんか?』『そういや会ってないのか』


 コメントを読むと、ちょっと分かった。あの後いろいろあったから、そこまで情報を伝えていなかったみたいだ。


 そのとき、植物軍団同士の原始的な戦争みたいな絵面に、似合わない音が聞こえてきた。


「あれ? なんか、エンジン音みたいな……」


『あれって超希望合体ミライザーグレートさんじゃね?』『えっマジ? 超希望合体ミライザーグレートさん? どこにいんの?』『マジかよ超希望合体ミライザーグレートさんが!?』『¥1200超希望合体ミライザーグレートさんが来てると聞いて』『↑お金受け取るのは敵やぞ定期』『¥2500擬態できるようになった記念』


「ミライザーソード、オン!!」


 暑苦しい声とともに、ドレスの女性に合体ロボが切りかかった。


「ぶほほほほほほほほ!! 最強と最強、聖剣と聖剣! 盤面がじゅうぶんに温まっておるようで、何よりだど! しかしそうなれば! さらなる熱を投下せねばならんのう!!」


『白バニーさんより配信のこと分かってて草生える』『そうだね()』『それは本当にそう』『配信だと足し算はわりと正義だからなあ』『取れ高を意識してくれる一般通過辻映りお兄さんで涙を禁じ得ない』『さすがは超希望合体ミライザーグレートさんだぜ!』『配信の同接も守ってくれる超希望合体ミライザーグレートさん』『これもう正義の味方だろ(定期)』


「すごいねー、コメント欄の速さと長さが倍以上上がってるよ!」

「ぶほほほほ! 巨悪が世の裏側に浸透しておるようだのう!」


 これも何かの記憶を再現しているのか、敵は虚獣のような黒い大鎌を取り出して、色を真っ白く反転させた。


「いったいどこの何とどのように通信しているのやら……。けれど、ひとり増えたところで変わりはしません」

「そうかな? ヴァイロスさん、私よりちゃんと強いよ?」


『こいつ超希望合体ミライザーグレートさんナメてないか??』『テンプレすぎて超希望合体ミライザーグレートさんでも言わなさそうなセリフw』『超希望合体ミライザーグレートさん、真面目に上位層なんだよなあ』『唯一名前を呼んでくれる白バニーさんに涙……』『誰か白バニーさんの名前も呼んであげてください』『ごめん忘れた』『↑これにはさすがの超希望合体ミライザーグレートさんも怒髪天』


 ユォン、と大鎌が切り裂くのは、物理的な範囲と特技の及ぶ範囲だけだった。正直、これだけでもかなり弱い。エフェクトの範囲が広くて、見える範囲がめちゃめちゃになるとかでなければ、私は武器なんてほとんど気にしない。


「ぶほほ、この程度でオデの装甲を切り裂こうなど、笑止千万!! 未来の複合装甲が、この程度で破れると、くだらんことを考えておったようだのう!?」

「やっぱり固いですねー。防御、お願いします」


 ゆるりと振るった大鎌は、ストレートに命中しても、それほどのダメージになっていなかった。どこからか回復が飛んできていて、あっちのヒーラーさんの有能さがよくわかる。しかし――突然、ヴァイロスさんの胴体を覆っていた鎧が消えた。胸をさっと隠したけど、カメラの方を見て手を下ろす。


「あ、大丈夫だ。インナーなら映ってもモザイク入らないみたいです」

「しょ、少々カメラ映りが気になっただけだど!」


『エッッッ』『¥5000恥じらい超希望合体ミライザーグレートさんに完敗』『負けてて草』『負けるな負けるなw』『手打ちニキじゃないから負けてるんだな……』『えっ手打ちニキじゃないんか?』『超希望合体ミライザーグレートさん女の子説』『リアルではあんまし自信ないんかもしれんな』『かなり乙女を感じた』『まだ消せるストック残してたんか』『すげータイミングで使ってきやがる』


 いちばん強い炎の大砲は使えなくなったけど、そのほかの技はまだまだ途切れていない。それに、ステータスはほとんど変わっていないようで、攻撃の音やエフェクトはちっとも変化がなかった。準備を、と思ったそのとき、チャットがつながる。


『こちらで失礼するど、フィエルさん。変身しようとしているようだが、オデがすべての装甲を失った後にしてほしいど』

『えっ、はい……どうしてですか?』


 パーティーチャットで話しかけてきたヴァイロスさんは、『その方が盛り上がるからだど』と……筋金入りの演出大好きっぷりを見せつけてきた。攻撃を受け止めようとした両手の装甲がすっと消え、丸太のような腕に大鎌が突き刺さる。


「ぐぬぅッ……!」

「すべての鎧が消えたとき、まだ余裕を保っていられるのでしょうか。攻撃と防御を兼ねたそれが消えたとき、あなたは何を見せてくれるのですか?」

「ぶほほ……無論ッ、消えぬ焔を!!」


『かっこいい』『¥120がんばれー!』『鎧がデカすぎるのに体もデカすぎる』『体格良すぎやろ』『茶化す気にすらならないクソデカマッシブさん……』『体はビルダー、心は乙女ってコト!?』『さすが超希望合体ミライザーグレートさん、ギャップでも魅せてくる』『心が強ぇ悪なのか……!?』『RP勢は心強くないとできないだろ(マジレス)』『弱者の傘になろうとしてるやつが弱いわけないんだよなあ』『この弱さもすこ』


 棒で打ち据えた首がごく短いスタンを引き起こして、全力の一撃が入った。肩に装着されていた拳が、ドドドドッとラッシュを打ち込み……そして、それも消滅する。


「あと、ふたつ」

 最近、母が生後数日で育児放棄された仔猫を拾ってきたので、私もお世話に参加しています。すでに離乳も終わり、悪ガキっぷりを発揮して、まーもう暴れる暴れる。にゃんこハウスを抜け出すのは別にいいんですが、いたずらもするし埃だらけの場所に入ってホコリまみれになるし……。毎日ズボンに爪を立てて足を登ってくるので、すねはズタズタです。トイレトレーニングも終わったしカリカリも食べられるようになったんですけど、噛み癖と登り癖(??)は治りませんね。甘えているんでしょうか。


 膝の上に乗せてあげるとすぐ寝ちゃうんで、お世話がめんどくさくなったときは膝にゃんこして寝かしつけています。今日もさんざんわるねこしていたので、今も膝にゃんこで大人しくしてもらっている。彼をお話に活かして、カクヨムの方で『にゃんこ教』という作品も書き始めました。ネタが思いついたので、今日あたり2話を書く予定。

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