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いつでも真面目ちゃん! ~VRMMOでハジケようとしたけど、結局マジメに強くなり過ぎました~  作者: 亜空間会話(以下略)
8章 百剣抄

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330/339

330 第四:「聖剣検証」(2)

 どうぞ。

 グノーシア正教会に所属する【使徒】は、それほど強い制限を受けていない。飲酒や喫煙、男女交際もそれほど強く咎められることはなく、風紀紊乱につながらなければ、夜の街に出歩くこともあまり問題視されない。ほとんど一般人と変わらないかれらが唯一かたく禁じること、それは「彼方よりの視線」を浴びんと星空へ向かう狂気を拓くこと……つまりは「沈療死施」に加わることである。


(原罪派のほとんどは、先の事件で斃れた。あのグレリーという男、弟子だというフィエル、あの二人が罪を犯したおかげでもある……感謝しなくてはなりませんね)


 人が生まれつき背負う罪は「他者を殺すこと」であり、その罪を奪い背負うために人々を殺戮する使命を帯びたものが、四大勢力のうちのひとつ「原罪派」である。クルディオという強力無比な指導者がいたが、旅人を巻き込んだ戦いを展開したために敗れる運びとなり、ほとんど全滅状態にあった。


 すべて命は他者から奪い殺すのであるから、人が同じことをしたとても罪にならぬとする「無罪派」。人は罪を犯すが、その罪を死で以て裁くことで御柱の導きに戻り次の命を得るとする「雪罪派」。このふたつは、宗教都市ディーコノジーヴを守護する「大罪の聖女」によって半壊状態になり、現在はなりを潜めている。


(残るは「断罪派」。それに……「雪罪派」の指導者も健在だったはず。「足音がおかしな孕み女」の目撃情報は、フィゴ・サ=ヴィオですでに出ていましたが……あそこに仕掛けられては、誰も太刀打ちできない)


 聖剣を宿した少女リルゥは、あの街で保護されている。あの「疫毒を孕む女(プレェグナント)」のやり方に対抗できる手段は、あの街にはない……逆に、あの女が長居するには厳しすぎるため、どうしても滞在時間は短くなる。仕掛けているのなら、とっくに成果が出ているはずだ。


(彼女が逃げてきたという村は、どちらかというと「無罪派」のやり方で滅びたように思えましたが。数か月経ったとはいえ、正教会から脱落した【使徒】はあのときから一人もいない。隠せるはずもないのですが……)


 各々がそれなり以上のレベルアップやそれ以外の成長を果たしたか、正教会以外からメンバーを募っているのか。可能性があるとすれば、【狂妄】の力を宿せるものを【使徒】以外に見つけたといったところか……あるいは、もともと【狂妄】であったものへ【使徒】の力を与えたか。


(三司教が旅人に出したという極秘指令も気になりますね……大陸で、何かが起ころうとしている。世界の歴史が揺らぐほどの、何かが……)


 地図にある「アイネリン」や「ジューディスピア」という街は、いつの間にか歴史から消えていた――そのうえ、上層部も調査をしようとしない、曰くつきの土地である。正直なところ、勇者などに構っている余裕はない。


「カギを握るのは、いったいどこなのでしょう」


 唯一「真なる聖剣である」とされた赤い剣が顕れたハイムノアか、教会が握ることのできた聖剣が存在するフィゴ・サ=ヴィオか、それとも消えた街か。


 次の聖剣が顕れることも知らず、ゾミアは悩み続けていた。

疫毒を孕む女(プレェグナント)

Lv.7894(最終情報更新時)

【使徒】/「沈療死施・雪罪派」

ジョブ:〈ヘドロポリューション・ゲル〉〈薬師〉〈死毒使い〉(一部推定)


「沈療死施」における四大勢力のひとつ「雪罪派」の指導者。本名は「ゼェギア・ユテロ」、ビジュアルもやってることも完全アウト、絶対に本編に出せないので、ここで解説してしまうことにした。「沈療死施」の説明がなされたときの「井戸に毒入れたりする」部分担当で、何万という人間を殺戮しまくっているため、レベルが八千近いバケモノ。だからといって強いわけではない(後述)。砂漠の地下を配下とともに移動し、目当ての水域に移動して疫毒を仕掛けようとしていたところ、ちょうどそこにいた勇者ジュリオに見つかって逆鱗に触れ、キノコの餌食になって死亡した。本編の時系列的に、当日中に死ぬ。


 ゆったりして引きずるほど大きなローブを着た、腹部が膨らんだ美女といった見た目をしているが、実際は下半身がほぼすべてスライムに呑まれている完全異形タイプ。これ以上の擬態は不可能であるため、かなり目立つうえ目撃・通報されまくっている模様。ローブを脱ぐとビスチェだけの上半身、子宮と溶けかけた骨盤が脊椎からつながったモノが浮かんだ紫スライムの下半身、という色んな意味でヤバいビジュアルをしている。


 このスライム部分を切り離し、相手に経口摂取させることで二十種類近い疾病やそれぞれ種類が異なる毒状態を引き起こす。当然その特技を使うためにHPがゴリッゴリ削れるので、そんなに上がっていない物理ステータスも災いして、レベルがでたらめなまでに上がっているのにぜんぜん強くない。とはいえ、井戸水や川の上流に毒を仕掛けられるところを発見できれば攻撃できる、という前提であり、そんな機会がそうそう訪れるわけがないのは要注意。


 本名は「く」「喘ぐ」「子宮」のもじりで、二つ名の命名は「疫病」(Plague(プレェグ))と「妊娠」(Pregnant(プレグナント))から。たまに出したくなるエロを前面に押し出したキャラなのだが、さすがに疫毒で人が死ぬシーンはこの作品の空気に合わないなと思ったので出すのをやめた。

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