305【大陸の支配者!?】魔王を決めるよ!【天変地異】(7)
注目度ランキング11位ってなんです……?? 水着回とかお祭り回じゃない、通常回だよこれ!
どうぞ。
息を吸う音が、とても大きく聞こえる。装甲が燃えるように赤くなり、ガツンと打ち合わせた拳から、片方の籠手がスライドする。
「それ、双盾……!」
「ぶほほほほ! 奥の手は隠しておくもの。そして、対等な相手と互いに最強の切り札を使う、そのときのためのもの!」
ヴァイロスさんは、強烈な熱を帯びた籠手を空に掲げる。それは、同心円状の力場を作り出しながら高速回転していた。
『なんか別のスーパーロボットになってきたぞw』『これ勇者シリーズなんでは……』『めっちゃ熱そう』『もしかして自傷と威力アップ両立?』『いろいろキメラやなぁ』『今までにないタイプの変形、期待』『ロボ系ジョブ限定の装備とかか』
「ブレイズぅうう……」
ごうごうと回転する炎の竜巻は、相手の全身に炎を広げていく。紅の翼が広がり、それがだんだんと広がって、不死鳥になって一声啼いた。
「フェニッックス――」
「なら、私も」
全身の装甲から鋭い部位が外れて宙を舞い、黒銀のアーチェリーが組み上がった。全身や足元から発生する黒い霧がすべて吸い込まれて、夜の中でも何より黒い矢じりが回転を始める。
「〈ダークネスムーン・ディスペアー〉!!」
「バァアあああストぉオオオオオッッッ!!!」
ぐっと引き絞った拳に、業火の竜巻が収束する……そして、まっすぐに突き出された拳とともに、こちらに放出された。砂漠を真っ赤に焼く竜巻と、そら恐ろしいほど黒い闇のドリルが、衝突する。
「これが、これこそがッ……! オデの最後のパワーだど! 尽きぬ忠誠! 燃え盛る闘志! オデだけが残ったとしても……ドンの志は叶えてみせる!!」
『かっこいい』『超希望合体ミライザーグレートさん……』『漢やなぁ』『¥3000がんばれー!』『スパチャの送り先は敵やぞ(冷静)』『もうこいつ正義の味方だろ』『オデキャラではない気はするけど』『なんで悪の道に転んだんやろうな』
「ん、たしかに。ヴァイロスさんは、どうして悪の道に行ったの?」
「正義は……つねに手遅れなんだど。何もかもが終わったあとにやってきて、その後は何も起こらないだけなんだど」
妙に冷静で、熱を感じない……口調以外は素で言っているような、そんな気配があった。
「その先に続く人生に、行くべき道を示すのは……! 必ずしも“光”だけではないのだど! 穏やかで暖かな闇が……突き刺さり攻め立てる光よりも、ずっと身近で嬉しく思えるものもいるのだど。そう……ここに、ひとり!!」
「そっか。光と、闇……そうだね」
ごうごうと吹き荒れる熱と冷気は、拮抗しているように見えて、少しずつ押し込んでいた。
「小さい光を手に取って、包み込んでくれる人が……身近にいたから。ちゃんと、光を喜べる人間になれたんだと思う」
『ぶっちゃけ白バニーさんも闇サイドの人間っぽい』『わりとサイコ入ってるしな』『いろいろあったくさいのはそう』『怒ってるとこ見ない人の方が闇深いってそれ一番言われてるから』『お兄さんに感謝やね』『えっサフォレは?』『↑どっちもやろ』
損傷していた腹部の装甲を、闇色のドリルが貫いた。
「ぐぅっ、ぬうぉう……!」
「最後に、何か言うことある?」
「ぶほほ……決まっておるど!」
「〈シャイニングソル・ブレイク〉!」
光と闇を行き来する「月蝕の刻」の力で、組み替えた双剣に太陽のエネルギーを集中させた。ガギャンッッ!!! と――通り過ぎた後ろで、重い上半身が先に落ち、下半身が遅れて倒れるのが聞こえる。
「秘密、結社……ワルイダー! ばんざぁあああいッ!!」
体内で暴走したエネルギーが、大爆発を巻き起こし……
「秘密結社ワルイダー」は、全滅した。
あちら側の崖の地下に造られた街は、アンナが解を使って地面を踏み壊したことで、崩落に巻き込まれて一般怪人ごと壊滅した。土砂とがれきに閉じ込められ、脱出が実質的に不可能になったから、ほぼ確定された死亡を受け入れることでセーブポイントに移動したらしい……「鮮血紅夜」の拠点も半分ほど壊れたので、その弁償はちょっと必要だった。
峡谷の下で戦っていたレーネと「レディ・ウェイブ」、岩場で戦っていたとっこと「鬼蜘蛛」、その他の怪人たちを退けたシェリー・ルゥ、全員がきちんと勝っていた。いろいろとあったらしい「秘密結社ワルイダー」のたくらみは、これでいったん終結したようだった。
執筆の合間に見てた『ガオガイガー』(なんかサンチャンがおすすめに挙がってきた)があまりにも面白くてカッコよすぎたので、ちょっと勇者ロボっぽい技を出してみました。収入できたら見たいものがひとつ増えましたね。




