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 その日の夜。

 

 お母さんが帰って来たのは、二十一時過ぎ。


 私とお兄ちゃんはとっくにお夕飯を食べ終わって、お皿の片付けも済ませていたから、お母さんの遅いお夕飯が済んだ後にお皿を片付けるのは一人で十分だ。


 私とお兄ちゃんはじゃんけんをして、負けたお兄ちゃんがお皿を洗うことになった。

 

 私はお母さんがお風呂場に向かった後、洗面所のドア越しにシャワーの音が聞こえ始めるのを確かめてから、そっとリビングダイニングキッチンに戻ってドアを閉める。


 そうして丸テーブルを囲む椅子の一つに腰を下ろすと、少し温くなり始めた麦茶を飲んでから、シンクの前でスポンジを握るお兄ちゃんに言った。


「今日、結城さんに電話したよ。今度の土曜に会ってくれるって。あの事件の日、お父さんが会ってた女の人のこと知ってるみたいだった」

「だったら、わざわさ会いに行かなくても電話で訊けば良かったんじゃねえの?」


 少し馬鹿にしたような口調で言うお兄ちゃんに、私はむっとして言い返した。


「私だってそうしたかったけど、教えてくれないんだもん」

「何で?」

「お父さんが死ぬ前に会ってた人のプライバシーに関わるからだって」

「プライバシーねえ……」


 お兄ちゃんは手を動かしながら、目だけを上げて私を見た。


「それってつまり、不倫してたんじゃねえの?」

「それが、結城さんが言うには『絶対に不倫はしてなかった』んだって」

「ふーん? 自分のことならまだわかるけど、知り合いとか友達のことをそこまで自信たっぷり言えるなんて、よっぽど詳しく事情を知ってるんだろうな」

「みたいね」






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