放課後のピアノ演奏会
7月5日㈮暴連高校編
放課後、サキは何故か暴連高校の雑務をやっていた。ハルト王子の代わりに働いているが、教員免許が無いため雑務を任されたようだ。今は印刷を任されている。そんな時、ひとりの先生が声をかけてきた
「あ、すみません」
「はい」
「音楽にタブレットを忘れてしまって、取ってきて貰えませんか?」
「いいですよ」
ということで、第二音楽室に来たサキ。吹奏楽や合唱部は第一音楽室などを使っているため、第二音楽室には誰も居ない
「鍵…これか」
サキは鍵を開けて、音楽室に入った。まず、目に入ってくるのは大きなグランドピアノ。何故か蓋が開いていた
「はぁ、誰だよ使ったやつ。ちゃんと蓋は閉めとッ…」
急にピアノの鍵盤が動き、音が鳴った
「な、何が…」
そして、ピアノは一曲弾いた。曲名は、フレデリック・ショパン作曲の華麗なる大円舞曲
「あ…(なんて、綺麗な音色だァ!まるで惹き込まれる感じが…誰もいないのに…何故か…何故かァ!)」
サキはその曲に魅了され、段々とピアノに近づいて行った。まるで、フェロモンに誘い出される虫のように
「…っは!」
やっと我に返ったサキ。でも、ピアノの曲は止まらない
「なんなんだこれは…」
そして曲は変わり、ベートーヴェンの月光第一章ピアノソナタを弾き始めた
「…胸が苦しく、悲しくなる。ピアノの曲に感情が左右される…」
サキはピアノの鍵盤を見た。人がいると思ったが、やはりいない。ただ、鍵盤とペダルが動くだけ
「誰も…いないけど…でも!そのに!何かがそこにいる!」
不気味な雰囲気が椅子から流れ出ていた
「…もしかして…幽霊?」
演奏が急に止まり、まるでこちらを見ているような感じがした。そして、また演奏した。さっきのショパンの華麗なる大円舞曲が演奏された。だが、最初より強く怒りに満ちているような演奏だった
「そうか…そう来るなら…」
サキは何故かピアノの椅子に座った。そして、鍵盤を鳴らした
「貴様が演奏するなら…わしも演奏する!楽曲が違う、ダブル演奏だッ!」
サキは動いている鍵盤の上から、曲を弾き始めた。曲名はフランツ・リスト作曲、ラ・カンパネラ。だがしかし、高難易度な楽曲!どうしても、鍵盤に釣られるサキ。ピアノの曲はいつの間にか変わっており、フレデリック・ショパン作曲の幻想即興曲になっていた
「そう来るかァ…なら、わしにぴったりなこの曲だァァ!」
そして!サキは弾き始めた!その曲はフランツ・シューベルト作曲、魔王である!徐々に鍵盤は、リズムが取れなくなってきたのか、サキの演奏に合わせ始めた
「どうだァ!このォわしの演奏はァ!このわしにぴったりな曲だろォ?」
ピアノは「はい」と認めざるを得ない状況だ。ピアノの音はいつの間にかひとつとなっており、そしてサキの演奏は終わった。とても清々しい表情である
「ふぅ、とても楽しい演奏会だったよ。また、暇があったらやろうか」
そう言って、タブレットを持って音楽室を出ていった
これは、この学校の七不思議のひとつ。放課後になる音楽室のピアノ…
To Be Continued…
登場人物
サキ
音楽の先生
天気:晴れ




