野性的本能
6月7日㈮人間界編
深夜一時、サキは森の中にいた。誰かに追いかけられているようだった
「はぁっはぁっはぁっ…(なんで追いかけられてるの!)木!邪魔ァ!」
サキは木々をなぎ倒して走った
「わぁ!」
泥に足を取られてしまった
「(あ、早くしないと…やばい!)」
大きな足音が近づいてきた
「(やばい!来た!)」
上半身裸の細長い剣レイピアを持った『あの男』が来た
「久しぶりだな」
「吸血鬼…アリア」
「さぁ、終わりだ…」
アリアは剣を前に突き出し、サキの体を貫通させた
「ふっ!フハハハハァ!はぁ?」
サキの体を見ると、真ん中の心臓を突き刺していた
「…っは!あぁ…やってしまった。まずいまずい」
突き刺した傷から煙のようなものが出て、サキが一瞬で人型のドラゴンに変身した
「…なにこれ?」
「うわぁぁ!!」
サキが混乱している中、アリアは叫び、怯えた
「く、来るなぁ!」
「おいおい、何怯え…」
「来るなと言っている!貴様のそうな化け物は近寄るなぁ!」
「はぁ?!なんなんだよ!勝手にやって、勝手に怯えてなんなんだよ!」
アリアは立ち上がり、逃げた
「お、おい!逃げるなんて卑怯だぞ!」
「(あんな化け物と戦ったら、あの時とは比べ物にならん程ボコボコになるぞ。時には逃げるのも戦闘の一部だ)」
アリアは木々の間を通り、サキから遠い場所へ逃げようとした。だが、サキも着いてきていた
「なぜ着いてくる!…っは!」
サキはさっきとは違う目つきとなっていた。まるで、獲物を狙った猛獣のようだ
「(さすが、龍神の子供。面構えが違う)」
アリアは事前にサキの父親、白龍神のユウに聞かされていた。サキの真ん中の心臓を貫くと、龍の姿となり、獣の野性の本能が出てしまうことを
「(もう無理だ。走れん)」
アリアは追い詰められてしまった。追いついたサキの口からは、大量のヨダレが垂れている
「(あぁ…私の人生…一体なんだったのか…)」
すると、サキの後ろで声がした
「さすが私…ここまで獲物を追い詰めるとは」
そいつはマサキと似たような見た目だが、髪の毛先にある、紫のグラデーションがなかった
「…お前は」
「久しぶり…っと言ったところだ。体が暴れていると言われ、少しだけだが開放されただけだ」
奴は後ろから、サキの真ん中の心臓部分に手を突っ込んで、剣を前に押して取り出した。そして、その心臓を握りつぶした
「そんなことしていいのか?」
「あぁ、完全に潰さなければ龍の本能は収まらない」
そうしてそいつは、森の中で姿を消した。サキは倒れ、元の姿へ変化した
「…またやるかもしれないから、今回は撤退だ」
アリアは立ち上がって、森を出ていった。そのあと、サキは目覚めた。何があったのか分からず、家に帰った
登場人物
サキ
アリア
???
天気:曇りのち晴れ




