父親と息子
5月20日㈪螟「縺ョ荳ュ編
ここはハルト王子の夢の中。白だけの空間に、ひとりぽつんと立っている。モノクロなのに、モノクロではない感覚
「…」
走っても走っても、ずっと同じ背景。そんな時、異物が居た。モノクロではない、色の付いた人物。背が小さく、髪が長い。服が真っ黒で、全て白色の人物。瞳だけ赤色。瞳のおかげで見失わない
「…久しぶりといったところか」
そいつが喋った
「…あぁ」
ハルト王子は彼に対して、何か違和感があった
「…本当は現実で話したかったな」
そいつはハルト王子の隣に座った
「…何年ぶりだろうか。元気だったか?」
「元気に…見えるか?」
「…いや、全然。窶れたか?」
「うん。城を出てから何万年と経って、人の冷たさを味わったよ。てか親父、なんだか変わった?」
「あぁ、お前と喋るために頑張って日本語覚えたよ」
「すごい。さすが、あいつの弟って感じ…」
「実は忠告をしにきたんだ」
「なんの?」
「あいつが、周りのやつを排除して、お前を手に入れるって」
「排除…あ、そういえばあいつ、人間界に来てたよ」
「…そうか。話しは変わるが、お前ちゃんと血液は飲めてるか?」
「馬鹿言え、あんなクソマズな物食えるかぁ!」
「吸血鬼なんだから、飲まなきゃ死ぬぞ」
「お前に言われたくないよ。十字架集めが趣味なくせに」
「う、うるさいなぁ。あのサキとか言う…やつも教会周るの好きなくせに…」
「サキはいいんだよ…多分…ま、やっぱり俺らは親子だね」
「だなぁ」
「親父はさ、なんで吸血鬼の始祖になったの?」
「ん〜こんな所で話したってなぁしんみりするだけなんだからさ」
「そうだね〜…親父なんでさ、あいつを止めてくれなかったの?兄弟なんだからさ止めてよ」
「…無理なんだ。それが…お前が助かるための運命なんだ」
「…何から助けるんだよ?夢の中だからはっきり言わせてもらうけど…」
ハルト王子は立ち上がって、父親の胸ぐらを掴んだ
「お前は、いつもいつも謝ってばかりで何もしない。これが父親なのか!それが王配がすることなのか!」
「…私は王配という肩書きだけで、実際は全てあいつが仕切っているのだ…私は、ただの女王のアクセサリーなんだ」
ハルト王子は手を離した
「…結局、大人は子供を助けないのか。サキだけだったよ、助けてくれたのは」
「…すまなかった」
「今度こそは助けてくれよ」
「…え?」
「俺が、あいつの手に渡る前にあいつを倒してくれ。それが父親がすることだろ」
「…あぁ、約束しよう。男と男の約束だ」
手を握った時、全てが光り、そこで目が覚めた
「今のは…夢かぁ…どうせ父親なんだから、無理なんだよ」
そう嘆いて手を額に当てた時、手に何かを握っていた。それはループタイだった。父親を離した時に間違え引っこ抜いたようだった
「夢…ではなかったのか」
ハルト王子はなんだか安心した感じだった
登場人物
ハルト王子
吸血鬼 キュウ(父親)
天気:鮟�




