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《黒の毎日》  作者: 主s.s
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夏の虫取り

8月25日㈰人間界編

朝九時頃、何でも屋月夜堂にて。深夜に依頼をこなし、今は各自好きなことをしていた。そんな時、チャイムがなった

「誰や?」

マサキはスマホを見る手をやめ、玄関へ向かった。そして、玄関の扉を開けると…そこにはふたりの少年がいた

「おじさん!遊ぼ!」

「はぁ?!」

そうして、ふたりは小さな依頼人によって森の中に来た

「おじ…お、おじ…」

「サキ、まだ気にしているのか。相手はまだ小学生だ。男の人は全員おじさんなんだぞ」

「おじさんと言われたのは確かに気に食わねぇが…依頼内容が、虫取りとか嫌だぜ!」

「おじさん!見て見て!ヒラタクワガタだよ!」

「何それ?」

ハルト王子は少年たちの側へ向かった。マサキは顔を押さえながら、ため息をついた

「(くっそ!虫!虫!虫!こう見えて、虫嫌いなんだよ!)」

マサキは足元を見た。そこには自然界にありえない色をした虫がいた

「ギャァァァ!!虫ィィ!!」

「ん?あ!それルリボシカミキリ!そのまま足上げてて!」

ひとりの少年は虫取り網で、その青い虫を捕まえた

「取ったどォ!」

少年はその虫を虫かごに入れた。そんな時、猫が通りかかった。猫は木の根っこにおしっこをした。その木に止まっていた蝉はその猫に近づいていた。マサキはそれを観察していた

「(猫?こんなところに…)」

蝉は大きな口を開け、自分よりも大きな猫を食べたのだ

「(は?今、一体何が起こったんだ?蝉が…猫を?ありえねぇ、これは夢か?)」

もうひとりの、四歳ぐらいの少年もそれを見ていた。少年は驚いて、その場に硬直していた。ハルト王子ともうひとりの少年は遠くに行っていた

「しょ、少年よ。今、何が起こったか理解できたか?」

「分からないよ。おじさんが分からなければ、僕も分からないよ」

ふたりは音を立てずに、後ろに下がった。だが、少年の足音が思ったよりも大きかったのか、蝉はこちらに気づいていた

「や、やばい。気づかれたぞ、少年。ん?少年?」

既に、少年は全速力で逃げており、蝉は少年を追いかけるように飛んで行った

「少年!ダメだ!ダメだと言っているゥ!」

だが、蝉はもう少年の背後にいた。マサキは、自分の長い腕を限界まで伸ばし、蝉を手で掴んだ。だが、蝉は手の隙間から出てきて、今度はマサキに襲いかかった

「ま、まずい!」

マサキは怖くて、目を瞑った。そんな時、もうひとりの少年がこちらに走ってきた。そして…

「えい!」

虫取り網でその蝉を捕まえたのだ

「た、助かったのか…」

「おじさん、大丈夫?蝉に怯えるだなんて…大人気ない」

少年の目的はカブトムシでも、クワガタでもなかった。蝉を捕まえる為だけに、ふたりに依頼したのだ

「に、兄ちゃん。それ、どうするの?」

「ん?家で育てるんだよ。あ、おじさんたち、今日はありがとうね。お礼に何か虫あげるよ」

「いや、大丈夫。いらない」

「あ、そう」

そうして、少年たちを家まで送ってあげたマサキたち。少年はその蝉を育てることにした。もうひとりの少年は知らなかった。後に両親が行方不明になることを…

登場人物

マサキ

ハルト王子

少年1(兄)

少年2(弟)

天気:晴れ一時雨

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