最終試練
8月23日㈮修行編
朝、サキとハルト王子はルカに呼ばれ、訓練場にやってきた。雰囲気はいつもよりも重たく、緊張感があった
「(空気が…重たい。いつもと何かが違う。一体、何が始まるんだ!)」
そんな静かな雰囲気に、最初にルカが口を開いた
「今日は最終日…最終試練を始めます!」
「「さ、最終試練?!」」
「さ、最終試練って、何をするのですか?先生!」
「それは…私を倒すこと」
ハルト王子は驚いた
「なッ!お祖母様を倒すだなんて…そんなことはできません!」
「ひっやっはァ!わしはこういうのを待ち望んでいたんだよ!この五日間のひっどい仕打ち!どう仕返ししてやろうか楽しみだなぁ!」
ハルト王子が止めるまもなく、サキは彼女に襲いかかった。たが、ルカは華麗に躱した
「(美しい。まるで、ダンスを踊るように躱した…)」
そんな隙ができたサキに、ルカは食い込むように顔面に蹴りを入れた。ヒール部分がサキの顔面に食い込み、血が出ている
「なッ!ルカ先生…一体」
「お祖母…様?」
ルカは不敵な笑みを浮かべた。そんな時、訓練場の扉が開かれた
「ちょっ、ルカ先生見えない。少しどいて…!」
ふたりはその人物を見て驚いた。そこには、ルカがいたのだ
「なッ!お祖母様がふたり?!どういうことで…」
扉の近くにいるルカが言ったのだ
「用心しなさい!それは、私に化けた偽物よ!」
「…ッお前さえ来なければ…」
そう言って、サキを攻撃したルカは自分の顔の皮膚を剥き始めた。その皮膚の隙間から、男性の顔が見えた。そして、全身の皮膚を服のように脱ぎ捨てた男。サキはその男の奇抜な服装に驚いた
「な、なんなんだよあいつ!男のくせに上下セットのマイクロビキニ着ているぞ!気持ちわりぃ!」
「サキ、それだけではないぞ。緑のロングヘアーにメッシュの蛍光ピンク!網タイツに…おまけに赤いロングブーツ」
「もっと気持ちわりぃ!目視できなくなったじゃん!」
「…」
だが、男は動じてなかった。そんな時、ルカは言った
「ラヴァー・レディ…兄さん!」
「な、なにぃ!先生のお兄さんだとォ!?」
「ルカァ!こいつらの教育はどうなっているッ!…ッ!」
そいつが喋っている途中、サキはそいつの顔面に拳を繰り出した。一発、二発と何発も。ルカの足元まで飛ばされた
「なっ!てめぇ、手加減も…ふげっ!」
サキはまた殴った。やつは、廊下の窓まで吹き飛ばされた。サキの目つきは、気持ち悪いと言っていた時より全然違った。殺気があったのだ
「親族なら…容赦は要らねぇよなあ?」
「はぁ、程々にしときなさい」
「はぁい♡ルカ先生!オラァ!」
顔、胴体、足とあらゆる部位に拳を繰り出したサキ。後ろの窓ガラスが割れ、ラヴァーは外の海まで吹き飛ばされた。そして、海底へ沈んで行った
「ありゃあもうダメだな」
そうして、ラヴァーを倒したサキ。最終試練などはなく、いつもより少し厳しい修行をしたふたり
午後三時頃、ふたりはユウの船でルカと別れたのであった
「先生!またね!」
「えぇ、またいつか」
ふたりは、城からこちらを見ているルカに手を振って帰って行った
登場人物
サキ
ハルト王子
ルカ
ラヴァー・レディ(L・L)
白龍神/ユウ
天気:曇りのち晴れ




