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《黒の毎日》  作者: 主s.s
143/192

人は変わらない

8月21日㈬人間界編

都内の病院にて、ひとりの男は退院をした。その男の顔は入院したとは思えないほどに、とてもくたびれていた

「…薬物は抜けたんだよ。でもさ、お見舞いにアリアが来るとは思わないじゃん。ナースコール連打してしまったよ」

彼は一王子 ハル。そう、ハルト王子である。現在、彼はやっと退院したのだ。ハルト王子は金曜日のとある事件により、五日間も入院していたのだ。検査や事情聴取により、思ったよりも長引いてしまった

「出禁にして貰ったはいいけどさ…誰かお見舞いに来て欲しかったな。アリアぐらいだったよ、来てくれたの」

ハルト王子は入口付近を見渡した。だが、サキの姿は無かった

「…とりあえず帰らないと」

そんな時、浴衣姿の白髪の男児が目の前に立っていた

「…ユウさん?」

「久しぶりだな、サキの代わりに迎えに来たんだ」

「サキの…代わり?サキに何かあったのですか?」

「いや、何か恐ろしいことが起きたわけではない。あ…歩きながらでいいか?」

ふたりは歩きながら、喋っていた。忘れている人に言うが、ユウとはサキの父親である

「実はな、サキは少し修行に出ていてな」

「修行…一体何のために?」

「古代人を倒すために修行しているのだ」

「はぁ、古代人…てか、どこ向かっているのですか?自宅とは反対方向ですが?」

「サキのところだ」

ふたりは、電車を何度も乗り継ぎ三時間。とある船乗り場に到着した

「ここから、先はサキたちがいる孤城に行く」

「はい、行きましょう」

「あ、その船ではないぞ」

そうして、ハルト王子はユウさんが操縦する小型船で孤城を目指した。数分後、何事もなく孤城に到着。ハルト王子は外がよく見える部屋に通された

「みんなを呼んでくるから、ここで待っててな」

そう言って、ユウはどこかへ行った

「…」

ハルト王子は窓の外を見ていた。ひとり取り残された自分。病院にいた頃と変わらなかった。そんな時、走るような足音が聞こえた

─バァァン!

「ハン兄さん!」

振り向くと、そこには嬉しそうな笑顔をしたサキが居た

「あ、わっ…わぁっ!」

「サキッ…」

サキはハルト王子に近づき、抱きしめた

「…おかえり」

「…」

ハルト王子は優しくサキの頭を撫でた。ドア付近では、ルカはふたりの様子を見守っていた

「…ん?サキ、あそこにいる女性は?」

「あ、あの人はわしの師匠のルカ先生だよ」

「ルカ…」

ルカはサングラスを取り、ふたりに近づいた

「久しぶりね。『エルジェ』」

「…お祖母様」

「ここでは…『ハル』だったかしら?」

ハルト王子はルカをまじまじと見ていた

「お祖母様、随分と…昔とお姿が変わりましたね」

「そうかしら?人は変わるものよ」

「まぁ、確かに」

「まぁいいわ。あなたもここに来たってことは、修行しにきたのね」

「え?何が?」

「人が増えたとしても、厳しさは変わらないわ」

「え?俺やるって言ってない…」

「やったァ!ハン兄も一緒!」

こうして、ハルト王子は無理やりでありながらも、修行に参加することになった

「(俺は、いつになったら帰れるのだろうか)」

To Be Continued(つづく)

登場人物

サキ

ハルト王子

ルカ

白龍神/ユウ

天気:晴れのち一時雨

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