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《黒の毎日》  作者: 主s.s
141/190

精神死柱(デスソウル・ピラー)

8月19日㈪修行編

朝六時頃、サキは目が覚めた。ルカに突き落とされてから九時間も経っていた

「…ぷぁ!ここは…ん?何だこの液体は!」

「あーら、やっと目が覚めたのね」

見上げると、柱の上にルカさんがいた。柱の上はとても快適そうであった

「はっ!あの女!」

「ここは精神死柱(デスソウル・ピラー)。死と精神を鍛える柱よ。ここではあなたの致命的な弱点、精神を鍛えてもらうわ」

「精神…うわ、きったね」

サキは柱から流れ出ている液体を触っていた

「安心しなさい、それは水でわないわ。アルコールと油を混ぜた液体よ」

「ふぅ…って、安心できないよ!クンクン…うわくっさ!」

「…あなたには緊張感と言うものがないわ。だから、精神強制首輪せいしんきょうせいくびわを装着させてもらったわ」

サキは自分の首を見て驚いた

「い、いつの間に!」

「精神が揺らげば、この柱から落ち、首輪からは鋭い(とげ)が出るわ。運が悪ければ喉を食い破るかもしれない」

「そ、そんな!あと、ど、どうやってこの柱を登れと…」

柱に抱きつくように登ろうとしたが、柱が太すぎて登れなかった。この時、サキは内心諦めたいと思っていた

「能力を使わず、素手でその百メートルの柱を登って見せなさい。出口はこの頂上だけ。せいぜい頑張りなさい」

そう言って、彼女はどこかへ行った

「くっ!ルカ先生!あんたは美人だ。でもよォ…わしはあんたのような女に()らされるのは嫌いだ!」

サキは腕を(めく)り、気合いを入れた。そして、吸盤のように指先を柱にくっつけた。指先に力を込めて、柱にくっつくように登ろうとしていた

「コォー…」

サキは息を整え、指先に集中させた。すると、柱と指先は磁石のようにくっついており、サキはその指先の力だけで柱を少しづつ登って行った

「(今、一生懸命指先だけの力で張り付いているけど、これはなんなんだ?なんか、指からビーム光線打てそう!)うわぁ!」

サキはほかのことを考えてしまい、精神が揺らいだ。今いる所から、五メートルぐらいまでずり落ちており、首輪の内部では、棘が出ていた

「くっ!血が…血が服に垂れる…」

サキは上を見上げた。頂上にはルカが、こちらを見下ろしていた

「まさか、『精神力』に目覚めるとはね」

「あッ、ルカ先生!よくわかんないけど助けッ…うわぁ!」

「何言ってるの?助けないわ。私はあなたを見捨てる。それだけよ」

「そ、そんなッ!初対面の人を見捨てるだなんて!冗談だよな?な?」

「…」

「なッ!(あの女、わしが昔行ったキャバクラのキャバ嬢と同じ目をしているぜ!「あなたの話なんか興味無いわ。シャンパン入れてちょうだい。シャ・ン・パ・ン」って感じの!結局女ってのは、そんなのばかりよ!)」

ルカは確かに冷たい目をしていた。だが、それは愛想が尽きているわけではない。信頼しているからこそ見捨てているのだ

「(サキ…あなたは強いわ。私がいなくても、敵を倒せるほどの実力がある。でも、あなたは敵のことを観察しすぎて、自分の戦いが(おろそ)かになったり、すぐ話題を逸らす癖がある。それがあなたの弱点よ。それらを克服して欲しいの)」

サキは一生懸命に柱を登っていた。だが、何度も挫折し、時折諦めようとしていた

「あーもう!やりたくない!ここで小便してやろうか?!」

「(私だって、助けたいわ。でも、それじゃあ成長の妨げになってしまうわ。頑張って…)」

彼女の言葉は冷たいが、その中に優しさも詰まっている。いつしか、サキはそのことを分かってくれるのか…

To Be Continued(つづく)

登場人物

サキ

ルカ

天気:晴れのち一時雨

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