精神死柱(デスソウル・ピラー)
8月19日㈪修行編
朝六時頃、サキは目が覚めた。ルカに突き落とされてから九時間も経っていた
「…ぷぁ!ここは…ん?何だこの液体は!」
「あーら、やっと目が覚めたのね」
見上げると、柱の上にルカさんがいた。柱の上はとても快適そうであった
「はっ!あの女!」
「ここは精神死柱。死と精神を鍛える柱よ。ここではあなたの致命的な弱点、精神を鍛えてもらうわ」
「精神…うわ、きったね」
サキは柱から流れ出ている液体を触っていた
「安心しなさい、それは水でわないわ。アルコールと油を混ぜた液体よ」
「ふぅ…って、安心できないよ!クンクン…うわくっさ!」
「…あなたには緊張感と言うものがないわ。だから、精神強制首輪を装着させてもらったわ」
サキは自分の首を見て驚いた
「い、いつの間に!」
「精神が揺らげば、この柱から落ち、首輪からは鋭い棘が出るわ。運が悪ければ喉を食い破るかもしれない」
「そ、そんな!あと、ど、どうやってこの柱を登れと…」
柱に抱きつくように登ろうとしたが、柱が太すぎて登れなかった。この時、サキは内心諦めたいと思っていた
「能力を使わず、素手でその百メートルの柱を登って見せなさい。出口はこの頂上だけ。せいぜい頑張りなさい」
そう言って、彼女はどこかへ行った
「くっ!ルカ先生!あんたは美人だ。でもよォ…わしはあんたのような女に焦らされるのは嫌いだ!」
サキは腕を捲り、気合いを入れた。そして、吸盤のように指先を柱にくっつけた。指先に力を込めて、柱にくっつくように登ろうとしていた
「コォー…」
サキは息を整え、指先に集中させた。すると、柱と指先は磁石のようにくっついており、サキはその指先の力だけで柱を少しづつ登って行った
「(今、一生懸命指先だけの力で張り付いているけど、これはなんなんだ?なんか、指からビーム光線打てそう!)うわぁ!」
サキはほかのことを考えてしまい、精神が揺らいだ。今いる所から、五メートルぐらいまでずり落ちており、首輪の内部では、棘が出ていた
「くっ!血が…血が服に垂れる…」
サキは上を見上げた。頂上にはルカが、こちらを見下ろしていた
「まさか、『精神力』に目覚めるとはね」
「あッ、ルカ先生!よくわかんないけど助けッ…うわぁ!」
「何言ってるの?助けないわ。私はあなたを見捨てる。それだけよ」
「そ、そんなッ!初対面の人を見捨てるだなんて!冗談だよな?な?」
「…」
「なッ!(あの女、わしが昔行ったキャバクラのキャバ嬢と同じ目をしているぜ!「あなたの話なんか興味無いわ。シャンパン入れてちょうだい。シャ・ン・パ・ン」って感じの!結局女ってのは、そんなのばかりよ!)」
ルカは確かに冷たい目をしていた。だが、それは愛想が尽きているわけではない。信頼しているからこそ見捨てているのだ
「(サキ…あなたは強いわ。私がいなくても、敵を倒せるほどの実力がある。でも、あなたは敵のことを観察しすぎて、自分の戦いが疎かになったり、すぐ話題を逸らす癖がある。それがあなたの弱点よ。それらを克服して欲しいの)」
サキは一生懸命に柱を登っていた。だが、何度も挫折し、時折諦めようとしていた
「あーもう!やりたくない!ここで小便してやろうか?!」
「(私だって、助けたいわ。でも、それじゃあ成長の妨げになってしまうわ。頑張って…)」
彼女の言葉は冷たいが、その中に優しさも詰まっている。いつしか、サキはそのことを分かってくれるのか…
To Be Continued…
登場人物
サキ
ルカ
天気:晴れのち一時雨




