師匠 ルカ
8月18日㈰人間界編
サキひとりしかいない、静かな自宅にて。サキは漫画を読んでいた
「ねぇ!コレめっちゃ面白ッ…そうだ、ハン兄は居ないんだった」
サキは漫画を読む手を止めて、キッチンへ来た。食器棚から、コップを取りだし、浄水器専用蛇口の取っ手を上に回した。水は勢いよく出ていた
「(あ、あれ?水ってこんなに勢いよく出るものだっけ?最近フィルター変えたし、こういうものだよね)」
サキは疑いもせず、その水をコップに注ぎ飲んだ。すると、口の中が血のような味となっていた
「?!(く、口が!口の中が血だらけだッ!なんで!?)」
サキはその血をシンクへ飛ばした
「プッ!な、なんだったんだこれは…はっ!」
サキは視線を感じ、後ろを向いた。そこには曲刀の形をした水の武器があった。刃先はこちらに向いていたのだ
「…」
その刃物はサキ方へ飛んできた。サキは咄嗟にしゃがみ、刃物はシンクの中へ。そして、水に戻り排水溝へ流れて行った
「…なんなんだよ。最近おかしい…敵とか遭遇しすぎじゃあないのか?」
─シャーー
キッチンには出しっぱなしの水の音だけが流れている。サキは部屋を見渡したが、怪しいものは無かった
「怪しいもの…ないな。やっぱり勘違いだったな」
サキはコップに残っていた水を口に含んだ。その時、出しっぱなしの水から声がした
「やはり馬鹿ね。その水を飲んだら、また口の中が切れるというのに」
「ゴッホッ!ほ、本当だ!」
そんな時、玄関の扉が勢いよく開かれる音がした。そして、誰かが近づいてくる音がした
「はあ、本当に私の曾孫なのかしら?アホすぎてため息すら出ないわ」
そこに居たのは、長いウェーブのかかった桃色の髪をした女性が立っていた。彼女はサングラスでかっこよく決めており、鋭いハイヒールを履いていたのだ
「お、おい!ここ家やろ!土足!靴脱げ!く・つ!」
「あーら失礼したわね。でも脱がないわ!あなた、敵に襲われたからって油断しすぎよ。とても!平和な脳内で羨ましいわ」
「な、なんだとォ!この女ッ!」
─バッシーン!
いつの間にか、女はサキに平手打ちを食らわせていたのだ
「戦いにおいて、気の緩みは最大の弱点なのよ!そのことをわきまえなさい!」
「っ!?なんなんだよ!お前は!」
「私の名前はルカ・オーシャンメール!あなた最近敵に襲われているばかりと聞いて、私が直々に修行させに来たのよ!」
「わしはこんな女性を知らねぇぞ!それに、修行なんか必要ないよ!わしは充分強い!」
ルカはまたしても、サキに平手打ちをおこなった
「甘ったれているんじゃあないわよ!あなたはまだ弱いわ。本当の人魚の力をまだ知らないのよ!」
「に、人魚?」
「さあ、立ち上がりなさい!これから行う修行は、これ以上の困難に見舞われると思いなさい!」
「(くぅ!なんなんだよ!この女!でも…あんなきつい言い方をしているけど、あの瞳はとても優しさが詰まっている!)」
「さあ、立ち上がったなら行くわよ」
「え?どこに?」
「決まっているじゃあないの。修行場よ」
サキは彼女の船で、とある海の上にある孤城に来た。目の前には巨大な黒く輝く扉。扉はゆっくりと開いた。サキは扉を覗き込んだ。扉の下はとても深く、穴のようになっていた
「あ、あの…」
「さあ、修行の始まりよ」
サキは彼女に背中を押され、扉の下へ落ちていった。ルカは知らなかった。サキの頭は地面に激突し、気絶したことを…
To Be Continued…
登場人物
サキ
ルカ・オーシャンメール
天気:晴れ時々曇り




