警察を辞める覚悟
8月17日㈯人間界編
病院の隔離室の廊下にて
「えぇ!面会拒否ィ?ふざけるなッ!」
「ふざけてません!今日はお帰りください!」
「ッ……!!」
昨日、サキは警察から連絡があり、今日は、ハルト王子が入院している病院へお見舞いに来ていた。だが、面会拒否されてしまい、しょぼくれて病院から出てきていた
「くっそ!…痛ってぇ…唇噛み締めた時、血が出たな」
サキは唇にハンカチを当てた
「君!どういうつもりだ!」
そんな時、病院の外ではふたりの警察官が言い争っていた
「お?警察官同士の喧嘩か…いいもの見たなッ…」
「仔宍!君は…警察官を辞めるって言ったな?!」
香月は彼の胸ぐらを掴んでいたのだ
「あぁ、辞めてやる!無果花だって辞めるって言ってる!」
「なっ!」
香月は仔宍を睨んでいた。仔宍はヘラヘラと笑っていた
「どうして、辞めるんだ?」
「昨日、金を渡されてな…だからだ」
「それだけで君は警察を辞めるのか!」
「そうだよ!悪いかァ?」
香月は彼の胸ぐらから手を離したのだ
「君には失望したよ。君には警察魂というものがないのか?市民を守るという気持ちがッ!」
「警察魂ィ?そんなの関係ないね!俺はなァ!こんな腐った組織に居たくねえんだよ!俺は海外に行ってマフィアになってやる!お前の人生を壊してやるよ!」
「壊す…君の過去を知らないが…君はどうかしている!」
「それはこっちのセリフだ!お前は警察という職業に人生かけすぎだ」
「そんなことない!私はッ!」
そんな時、サキの視線を感じた警察官たち。そこで口論をやめたのだ
「…あ、すまない」
「へっ!臆病者が!」
仔宍はそう吐き捨て、その場を去っていった。香月は立ちすくんでいた
「…けっ!喧嘩は終わりかッ!残念だ」
「!(時川…真咲!…いかんいかん、今は冷静になるんだ)」
「なぁに見てんだよ!見せもんちゃうぞ!」
「それはこっちのセリフですが、私に何か用ですか?」
「ない!っと言いたいけど、ある!」
サキは香月に近づき言ったのだ
「…昨日、警察から連絡があった。ハン兄が薬物関係の犯罪に巻き込まれたって。お前、現場に居たってな」
「えぇ、そうですが」
「わし、法律とか分からないんだ。ハン兄は…ハン兄は…」
「…」
サキは香月の肩に手を置き、彼の顔を下から覗き込むように、目線を上にあげた
「捕まらないよね?警察は法律とか詳しいと聞いたよ。本当に!ハン兄は捕まらないの?」
「…あの状況から見て、彼は被害者ですよ。今は錯乱状態な彼ですが、数日後には取調べが起こると思いますよ」
「…被害者」
その言葉でサキは少し安心した素振りを見せた
「警察から被害者という言葉を聞けてよかったよ。ありがとう」
そう言って、サキはどこかへ歩いていった。香月は思った
「(あいつは、殺し屋なのに、人間のように泣き、怒る。あいつを殺せれたら、泣くことも許されるのだろうか)」
香月は、警察は現場を感情的に見てはいけないと習った。この生活が終われば彼の生活は豊かになるのだろうか…
登場人物
サキ
葵頼 香月
仔宍 勇生
警察官1
天気:晴れ時々曇り




