男たちはヤニカスである
8月15日㈭人間界編
昼頃、マサキとハルト王子は自宅で食事をしていた。ハルト王子は食事が終わったあと、席を立ち上がった
「ん?どっか行くの?」
「あーうん、ちょっとコンビニに。上着借りてくよ」
「わかった」
ハルト王子はマサキのパーカーを着て、玄関へ向かった。そして、扉が閉まる音がした
「…よし、尾行だ」
マサキはとてつもなく暇だったのか尾行を始めた。予備のパーカーを深く被り、彼の跡をついて行っていた
「(…わしと同じく、フードを被っている…こうして歩くと…どっちも不審者だな)」
ハルト王子はコンビニへ向かっていた
「(あ、コンビニだ。中に入るのはさすがにバレるし、外で待機だ)」
マサキはタバコを一本取りだし、コンビニの外にある喫煙スペースで彼の様子を見ていた
「(あ、何か選んで…えぇ!)」
彼はグラビアモデルが表紙の分厚い雑誌を手に取り、カゴに入れていた
「(えーやっぱりハン兄も男なんだ…ってよく見るとチャンピオンじゃん。わしが毎週読んでいること知ってたんだ)」
毎週木曜日は週刊少年チャンピオンの発売日。マサキはその読者であり、毎週読んでいるのである
「(期待して損したって、何も期待してないんだけど…ん?お酒…いや、料理酒だ。カゴに入れて…あ、レジに向かった)」
ハルト王子はレジに向かい、お会計をしていた。そして、壁の方を指さしていた
「(…タバコだ。タバコを買おうとしている。七十二番…相変わらずこだわりがないな…)」
ハルト王子は財布を出し、お金を出そうとしていた。だが、足りないようなのかタバコを諦め、お会計をした
「(…元ヤニカスのハン兄が、タバコを諦めるだなんて)」
お会計を終えたのか、何故かこちらに向かってきていた
「(えぇ!なんでこっちに!まさか尾行がバレたか?)」
マサキはフードを深く被り、目線を逸らした。そして、彼が近づいてきて、近くにある灰皿スタンドを覗き込んでいた
「(え?なぜ灰皿に…!)」
彼の目は大きく見開き、舐めまわすようにその灰皿を見ていた。すると、ふたりは目が合った。マサキはすぐに目線を逸らした
「(えぇ!なにあの行動!初めて見た!)」
「あ、あの〜」
「(や、やばい!バレたか?)な、なんですか?」
「…タバコ持ってますか?」
彼はマサキに気がついてない様子だ
「…いいえ、これで最後ですね」
ハルト王子は少し残念そうな目線をしたが、何か思いついたのか、またこちらに声をかけた
「それ、捨てますよね?くれませんか?」
「…えぇ!(嘘だろおい!もし、ここにいたのがわしじゃなかったら…こ、こいつ他人の吸殻を奪おうと…)」
「ダメ…ですか?」
「…(いやいや!普通はダメだろう!他人が吸ったやつだぞ!やっぱり、ヤニカスじゃあねぇか!)」
マサキは内心とても驚いていた。やはり、彼はまだまだヤニカスであった
「えっと…ハン…兄さん」
「え?サキなの?」
「タバコ買ってやるからさ…こんなことは辞めようや」
「あ、ありがとう。ソフトならなんでもいいよ」
「あ、うん。他人にはやるなよ」
「え?何が?」
「いや、なんでもない」
ふたりはコンビニに入り、タバコを買った
「…ぷはぁ!生き返る…そのケシモク…」
「何も言うな!」
マサキは、一度ヤニカスになった者は二度と普通に戻れないそう学んだのであった
「ハン兄…タバコ吸いすぎだ」
「お前だって…五本同時に吸うやつなんて…漫画以外で見たことがないよ」
「あ、そう?」
「あ、そうってな…おい、それやめろ。口の中にタバコ入れる芸。著作権がやばいだろう。これは小説だからいいものの…あ、メタいこと言っちゃった」
「フッ…おっちょこちょいさん」
登場人物
マサキ
ハルト王子
天気:晴れのち時々曇り




