きさらぎ駅
8月11日㈰人間界編
─ガタンゴトン…ガタンゴトン
午後十一時頃、マサキは会社から家に帰っている時であった。今は、地上線の普通列車に乗っていた。誰もいない電車内。外の光がとても目立つ時間帯だった。窓を背に、マサキは外の風景を見ていた
「(そういえば…人がいない。誰も…)」
マサキは立ち上がり、自分が乗っている最後尾車両を見渡した。本当に人の気配がしなかった
「も、もしかして…寝過ごしたか?」
すると、女性の声でアナウンスがなった
「まもなく、縺阪&繧峨℃、縺阪&繧峨℃」
駅名がノイズがかかったかのように聞こえなかった。そして、三分後…
「まもなく……らぎ、きさらぎに止まります。お出口は左です」
「きさらぎ?」
電車は止まり、古びた田舎のような無人駅に着いた。マサキはそこが終点と思い、そこに降りた。そして、電車はどこかへ走り去っていった
「…もしかして、降りない方が良かった?あぁぁ……」
マサキは膝から崩れ落ちた。このままでは、自宅に帰れない。そんなことで頭の中がいっぱいだった
「どうやって帰れと…てか、きさらぎ駅ってなんだよ」
マサキはスマホを取りだし、『きさらぎ駅 とは』と調べた
「えーなになに、匿名ネット掲示板に投稿された体験談を発祥とする…都市伝説」
マサキは、某ネット掲示板でそのきさらぎ駅についての投稿を漁り、読んだのだ
「要するに、線路に行かない方がいいのか。あとは…」
すると、遠くの方で何か音が聞こえた。まるで、祭りのような音が…
「ん?何かが聞こえる…太鼓と鈴のような音が…はっ!このオカルト板に書いてあったやつと同じだ!なぜ、なぜ聞こえるのだッ!わしは…今は駅のホームにいるんだそ!」
その音は段々と近づいてきた。そして、音は振動で背中の方から伝わって、身体全身に鳥肌が立つほどに伝わってきた
「(ここで振り向いてはダメだッ!振り返っては…でも…もし、振り向いたらどうなるんだ?)」
マサキは好奇心に負けそうであった。そして、マサキは…振り向いたのだ!やはり、好奇心には勝てなかった!
「…?!か、片足だけのおじさん!」
そこに居たのは片足しかないおじさんであった。だがしかし、すぐに消えてしまったのだ
「は、話が違う!このスレではあのおじさんは線路内で見かけたのに!なぜ!」
マサキはとてつもなく混乱していた。オカルト板では全くもって、違う結果となっていたからだ。マサキはとても震えていた。平常心を保つため、タバコを一本銜えた
「あぁ、タバコが逆さまだ…(お、落ち着け。平常心、平常心。心にジョジョを飼おう。そう!ジョジョを…)」
左手にはタバコの箱を握りしめ、指先を擦っていた。怯えているのか、なかなか火がつかなかった。やっと火がつき、そしてその火をタバコに近づけた…すると
─ファァァァァ!!
さっきとは別方向のホームから朱色の電車がやって来た。そして、目の前で停車するとドアが開いたのだ
「…」
マサキは警戒をしていたが、その電車に乗り込んだ。すると、視界が光に包み込まれ、目の前には席に座っている人々の姿があった。乗客はスマホを見ていて、マサキに気がついてない様子だった
「(も、もしかして…帰ってこれたのか?)」
マサキはタバコの火を消し、空いている座席に座ったのだ。そして、眠ってしまったのだ。
次に目が覚めた時…
「まもなく青川、青川に止まります。終点です」
「ん…え?終点」
マサキはまたもや絶望したのだ。本当に怖かったのは都市伝説でも、片足がなかったおじさんでもない。それは、自分の眠りの深さに関して恐怖していたのだった
登場人物
マサキ
片足だけのおじさん
車掌さん1(女性)
車掌さん2
乗客たち
天気:晴れ




