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《黒の毎日》  作者: 主s.s
125/169

時の番人 タイム

8月3日㈯異世界編

昼頃、ハルト王子はソファーで寝ていた。マサキは飲み物を取りに行くために、立ち上がったのだ。だが、そんな時だった、何か止まった感じがした。空気、音、振動などの全てが急に止まった感じがしたのだ。

「?!(な、なんだ。急に動けなくなったぞッ!この感覚…どこかで…!)」

マサキはなぜ止まったのか、その正体に気づいていた。ふたりは意識はあるのに全くもって、動けなかった。そして瞬きをした瞬間、空気が変わった。暗く、死者が蘇りそうな空気感であった。そして、目の前に大きな重厚の感がある黒い城があったのだ

「はっ!ここは一体どこだ?」

ふたりがいた人間界とは別の世界。でも、異世界とは別の世界とマサキは感じ取った。マサキは、その城の扉を注意深く見ていた。そして、その扉に触れたのだ。すると、わ大きな音を立てて、内側に扉が開いた。城の内部は、歯車やピストンが動く音が響いていた

「なんなんだここは?工場かなんかか?ハン兄、気をつけるんだ。敵の攻撃かなんかかもしれない」

ハルト王子は黙っていた。そして、歩き出したのだ。その行動には一切も迷いがなかった。まるで、日常的に(かよ)っていかたのような動きだった

「?!(な、なんだとォ!こんな非現実的なお城を前にしたら、体がビビってその場で硬直するものなのに!)ま、待て!」

マサキは追いかけるようにハルト王子を後ろをついて行った。着いた先は、光り輝く大きな大時計が壁に張り付いている広場だった。そこに、黒く重たい服装をした男が立っていた

「てめぇ、一体何者だ?わしらをなぜこんなところに来させた?」

「そうだな…」

そいつは自分の顎に手を置きながら、マサキを見定めるように見ていた

「なんだよ?そんな見るなよ」

「あ、あぁ。すまなかったよ。ま、そんなことはどうだっていい。まずは、返してもらえぞ。あの懐中時計を」

男の目つきは変わり、マサキに敵意むき出しの瞳で見てきたのだ。そして、手のひらを差し出していた

「…もし、無理と言ったら?」

「その時は、自分の子孫だろうと関係なしに殺す」

「子孫?意味が変わらないが…渡せるはずはないだろう。初対面で、知らない人だしな」

「…まぁ、たしかにな」

すると、ハルト王子はマサキに近づいた

「なんだ?不安なのか?本当に可愛いんだから…ッ!」

ハルト王子はマサキの腹に一発拳を入れた。マサキは地面にうずくまった。

「な、何をする?」

「自分より目上の人の言うことは聞かないといけないぞ。サキ」

そう言って、マサキが所持しているあの懐中時計を奪い取って、その男の側へ

「なッ!こんな、怪しい奴に忠誠を誓ったのかッ?!ハン兄!」

「…申し訳ございません、お祖父様。サキが無礼を働いてしまって」

ハルト王子は彼の前にひざまつき、その時計を差し出した。男はそれを受け取った

「別に大丈夫だ。お前は相変わらずだな」

「おい!説明しろッ」

いつの間にか男が目の前におり、マサキは平手打ちを食らった

「何度も何度も時間を止め、時間を巻き戻して…この、クソガキがァ!ガキだからって容赦はせんぞッ!」

「なッ?!なぜ知っている!」

「知っているゥ?!あったり前だッ!時の番人である、この私が何も知らないと思うなッ!」

そいつはマサキに指を突き刺して言ったのだ

「何度も何度も禁忌(きんき)スレスレなことをしやがって!時間で遊ぶなッ!時間はおもちゃじゃないんだぞッ!この時計はお前には二度と触れさせん!」

マサキは黙り込んだ。そして、そいつの胸ぐらを掴んだのだ

「うるせぇ!何も…何も知らないくせにィ!どこの誰だから知らないがッ!その時計を返せェ!」

マサキはそいつの顔面に一発拳をお見舞いしてやった。そいつの、口からは血が少し垂れていた

「さ、サキ。やりすぎだ」

「やりすぎィ?こいつが先にふっかけたのだ」

「う”ぅ”…自分の曾祖父(そうそふ)になんてことを…ま、さすが私の子孫だ。私の血を一番色濃く受け継いでいると、聞いたが…素晴らしい」

「はぁ?お前、変態かァ?殴られて喜ぶだなんて…」

そいつは服をはらいながら立ち上がった

「さすがだな、サキ…と言った方がいいか?」

「なッ!なぜわしの名前をッ!?」

「私の名前はタイム。時の番人であり、時そのものである。そして、お前から見れば私は、曾祖父(そうそふ)…ひいおじいさんなのだッ!」

「な、なんだとォ!そんな冗談が言える野郎だなんて…やる気かァ?」

「いやいや、君には時を操る素質がある。ここでやったらもったいない。特別に君には時を操ることを許可しよう。受け取れ」

そう言って、その懐中時計をマサキに返したのだ

「…意味がわからないが、時計を返してくれてありがとう」

「…何度も世界を破壊尽くし、その世界を救う英雄よ。未来を楽しみにしておるぞ」

そう言われたマサキ。後ろを向き、ふたりは扉へ向かった。視界が歪め、目が覚めると、自宅にいたのだ。ふたりは壁に掛けてある時計を見た。最初と全くもって同じ針を指していた時計

「…(さすがお祖父様)」

マサキは初めて会う曾祖父に唐突に平手打ちをされたことに怒っていた

「(あのじじい、曾祖父とか言ってたな。ひいじい…少し長生きしているからって生意気な…次は容赦はしないぜ)」

To Be Continued(つづく)

登場人物

マサキ

ハルト王子

時の番人 タイム

天気:曇り

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