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《黒の毎日》  作者: 主s.s
119/154

お節介焼きのフランス人シェフ

7月28日㈰人間界編

昼の十二時頃、ハルト王子はひとりで街中を歩いていた。そして、少々目立つ外国人とすれ違った

「「…?!」」

そして、ふたりは振り返ったのだ

「…あなたは?!」

「貴方こそ…まさか!そんなことは有り得るのか?!これは奇跡だ!これは奇跡に近い事だッ!」

彼はフランス人の見た目をしており、コックが着ている厨房服を模倣した服を着ていた。そして、短めの髭と割れたケツアゴが素敵な男性だった

「トマさん!あなたはトマ・マルティですね!」

「そうですよ!私はトマ!トマ・マルティでェす!」

そしてふたりは久しぶりに会ったのか、握手を交わした

「久しぶりですね」

「えぇ、貴方が初めて、私のレストランにバイトをしたことを鮮明に覚えてますよ。辞めてしまったのはもったいないですが、就職のために辞めるのは仕方がありませんよね」

二〇一一年頃にハルト王子が始めたバイトのレストランで、オーナー兼料理長を務めていた彼。現在、ハルト王子はそのバイトは辞めている

「良ければ、久しぶりに私のレストランへ行きませんか?」

「いいですよ」

そうして、ハルト王子は彼のレストラン。『レストラン・マルティ』へ来た

「今は休憩時間ですか、今日は特別に」

「ありがとうございます」

店内に入ると、煌びやかな雰囲気が漂ってきた。それは昔と変わらないのである

「お昼食べましたか?」

「いえ、まだ」

「では、なにか作ります」

そう言って、トマは厨房に向かった。厨房からは肉料理の匂いがしてきた。そして、その肉料理が運ばれてきた

「お待たせしました。コース料理ではないですが…どうぞ」

そうして、その料理はハルト王子の目の前に置かれた。ハルト王子はカトラリーを手に取り、静かに食べ始めた

「…最近、よく食べれてますか?」

「え?」

「貴方、ここを辞める時、就職するから辞めると言いましたよね?」

「え?あ、はい。就職はできましたよ。安心をッ」

「そういうことではありません」

トマはため息をつきながら言ったのだ

「貴方、本当は自殺しようとして辞めましたよね?」

「え?そ、そんなこと…」

「貴方のお友達のサキさんでしたっけ?その人から全て聞きましたよ。どうして、相談してくれなかったのですか?」

ハルト王子はカトラリーを起き、俯いた

「…あなたはただのオーナー。親でも友人でないから、だから相談しなかったのです」

「そうですか。なら、次からは相談してくださいよ」

「…はい。あ、お金」

「大丈夫です。これは私の善意でやったことですから」

そうして、出入口まで見送ってくれた

「それでは元気で」

「はい…トマさん」

「ん?なんでしょうか?」

「またいつか会えますか?」

「えぇ、人生とはとても長いですからね。どこかでまた出会えたら」

ふたりは握手を交わした。

「それでは」

そうして、ハルト王子は街中へ消えて行った

To Be Continued(つづく)

登場人物

ハルト王子

トマ・マルティ

天気:曇り時々晴れ

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