お節介焼きのフランス人シェフ
7月28日㈰人間界編
昼の十二時頃、ハルト王子はひとりで街中を歩いていた。そして、少々目立つ外国人とすれ違った
「「…?!」」
そして、ふたりは振り返ったのだ
「…あなたは?!」
「貴方こそ…まさか!そんなことは有り得るのか?!これは奇跡だ!これは奇跡に近い事だッ!」
彼はフランス人の見た目をしており、コックが着ている厨房服を模倣した服を着ていた。そして、短めの髭と割れたケツアゴが素敵な男性だった
「トマさん!あなたはトマ・マルティですね!」
「そうですよ!私はトマ!トマ・マルティでェす!」
そしてふたりは久しぶりに会ったのか、握手を交わした
「久しぶりですね」
「えぇ、貴方が初めて、私のレストランにバイトをしたことを鮮明に覚えてますよ。辞めてしまったのはもったいないですが、就職のために辞めるのは仕方がありませんよね」
二〇一一年頃にハルト王子が始めたバイトのレストランで、オーナー兼料理長を務めていた彼。現在、ハルト王子はそのバイトは辞めている
「良ければ、久しぶりに私のレストランへ行きませんか?」
「いいですよ」
そうして、ハルト王子は彼のレストラン。『レストラン・マルティ』へ来た
「今は休憩時間ですか、今日は特別に」
「ありがとうございます」
店内に入ると、煌びやかな雰囲気が漂ってきた。それは昔と変わらないのである
「お昼食べましたか?」
「いえ、まだ」
「では、なにか作ります」
そう言って、トマは厨房に向かった。厨房からは肉料理の匂いがしてきた。そして、その肉料理が運ばれてきた
「お待たせしました。コース料理ではないですが…どうぞ」
そうして、その料理はハルト王子の目の前に置かれた。ハルト王子はカトラリーを手に取り、静かに食べ始めた
「…最近、よく食べれてますか?」
「え?」
「貴方、ここを辞める時、就職するから辞めると言いましたよね?」
「え?あ、はい。就職はできましたよ。安心をッ」
「そういうことではありません」
トマはため息をつきながら言ったのだ
「貴方、本当は自殺しようとして辞めましたよね?」
「え?そ、そんなこと…」
「貴方のお友達のサキさんでしたっけ?その人から全て聞きましたよ。どうして、相談してくれなかったのですか?」
ハルト王子はカトラリーを起き、俯いた
「…あなたはただのオーナー。親でも友人でないから、だから相談しなかったのです」
「そうですか。なら、次からは相談してくださいよ」
「…はい。あ、お金」
「大丈夫です。これは私の善意でやったことですから」
そうして、出入口まで見送ってくれた
「それでは元気で」
「はい…トマさん」
「ん?なんでしょうか?」
「またいつか会えますか?」
「えぇ、人生とはとても長いですからね。どこかでまた出会えたら」
ふたりは握手を交わした。
「それでは」
そうして、ハルト王子は街中へ消えて行った
To Be Continued…
登場人物
ハルト王子
トマ・マルティ
天気:曇り時々晴れ




