吸血鬼と神様と子供と
7月23日㈫人間界編
吸血鬼アリアの館にて
「クソッ!サキはまだ見つからねぇのか!」
アリアは怒っていた。住んでいた城をサキ達に燃やされたことに。自費で館を建てたが、サキにその館の金を請求し、最後に殺すという復讐心があった
「…キュウ、やっと連れてきたか。ノロマがッ」
吸血鬼キュウは誰かを連れて、アリアの部屋に来た。その人物はキュウと同じ背丈の男…
「ユウ…いや、白龍神」
サキの父親、白龍神ことユウであった
「…低身長コンビ…いや、なんでもない。お前には自分の子供を殺す覚悟はできてるかい?」
「あぁ、心が痛むが…金のためだ」
「生物というものは、結局は金に弱いんだな…では本題に入るぞ」
そう言って、アリアは机の引き出しから何かを取り出した。それは金色に輝く矢であった
「お前は弓使いと言われているようだな。この矢でサキを始末しろ」
「……あぁ、でもこの矢はどこで?」
「ちょっとした知り合いがいてな、少し貰っただけだ…」
「…」
時は過ぎ、街中にて。ユウはあの矢を十三本持って、建物の屋上に居た。気温は34℃暑さで今にでも倒れそうだ
「…(こんな暑さでできるのか?汗がとてつもなく出る…)」
ユウは目をこらしながら、サキを見つけた。そして、弓を構えた。サキは殺されるとも知らずに歩いている
「…(自分の子供だからってなんだ!…わしは神様なんだぞ)」
そして、矢を放った。矢はサキに一直線に向かって行った
「(行けェェ!……)!」
矢の先を見ると、サキが居なかった
「(い、居ない!どこだ!どこにいる!)」
ユウは周りを見た。そして、背後に何かを感じた
「おいおい、自分の子供を殺そうとするだなんて。本当に父親か?」
「はっ!さ、サキィ!お、お前まさか!」
サキはポケットから懐中時計を取り出した
「時を…時を止めたなァ!」
「グレイト!正解だッ!自分の子供が、どんな能力を持っているか把握しとけとな。バカがァ!」
サキは拳をユウの腹に繰り出した
「っ!?」
ユウは吹き飛ばされ、大通りを挟んだ反対側のビルに吹き飛んで行った
「…」
大量に出血し、人間だったら即死だ
「アハハ!面白いなァ!子供を殺そうとしたのに、逆にやられるんだなんてなァ?なっさけねぇな!」
「あ…(やっぱり、今のわしだと無理なんだ…)」
サキはユウに背を向けて言った
「今日はここまでにしといてやるよ。次はちゃんと学習してから来な」
そう言って、そのビルの屋上から降りて行った。暑さの中、ビルの屋上にひとり残されたユウ。血と汗が混じっている
「何をしている?」
そこに日傘を持ったキュウが現れた。心配して来たようだ。
「キュウ…吸血鬼なのに来てよかったのか?」
「別に大丈夫だ。さっき息子と喋ってな、元気に暮らしていたよ。お前の方は…どうせ大丈夫だろ」
キュウは、手馴れた手つきでユウの手当てをしていた
「なぁ、子供に恨まれたことはあるか?」
「…あるよ。私は息子を見捨てたようなもの…恨まれて当然だ」
手当てが終わり、ふたりはその場を離れて行った
登場人物
サキ
吸血鬼アリア
吸血鬼キュウ
白龍神/ユウ
天気:晴れ




