夏休みについて
7月16日㈫人間界編
夜九時、サキは依頼を行った後家に帰ってきた。もう既に、ハルト王子は料理を完成していた
「あ、おかえり」
「大丈夫?まだ怪我完治してないでしょ?無理しないでよ」
「大丈夫だよ…本当にッ…」
次の瞬間何かがサキの顔を掠めた。一瞬、横を見た。それは包丁であった
「…もしかして、タンクローリーのこと怒ってる?」
「もう、済んだからいいよ。さ、ご飯食べるよ。片付けて」
「はーい」
そうして、ふたりは晩御飯を並べた。今日は味噌おでんのようだ
「ねぇハン兄」
「ん?なに?」
「あのさ、なんで昨日はあんなひっそりと帰ったの?」
「…それはッ」
「弟さんたちと帰ればよかったじゃん。嫌だったの?一緒に帰るの?」
「人の話を聞け。あのな、実はあのまま城に滞在していたら…多分、家に帰れなかったと思うんだ」
サキは食事の手を止め、驚いた
「帰れなかった?どういうこと?」
ハルト王子はサキの目を見て言った
「お母様のことだ、そうそう簡単に帰してもらえない。それに、秘密裏に帰ったのに追いかけて来たよね」
「…た、確かに」
サキは納得して、黙ってしまった
「(ハン兄…どうして、あの人には言い返さないの?久しぶりに実家に帰ったのに、平手打ちをされて、暴言を吐かれて…どうして平気なの?なぜ…)」
ハルト王子は食べ終わった食器をシンクへ洗いに行った
「あ、サキ」
「ん?何?」
「夏休みについてなんだけどさ。何かやりたいことある?」
「夏休み…特にないかな」
「そうなんだ」
「あ、依頼沢山入れようかな。お祭りにも行きたいな…あ!ポーカー!ゴゥレイストのリベンジポーカーしたいな。あとは…」
「いいじゃん、いいじゃん。そんな感じで考えていて。俺も、サキの日程に合わせて行動するから」
「うん。あ、あとは二郎系ラーメンでしょ…他は…」
サキは指を曲げながら、やりたいことを口にしていた。そんな様子のサキを見ていたハルト王子
「あ、ハン兄は用事ある?」
「あるよ。ひとつだけ」
「へー珍しい。どっか行くの?」
「長崎に…八月九日は長崎に行こうかと」
「なんで長崎?北海道とか沖縄でもいいじゃん」
「毎年行ってるから」
「ふーん」
「サキも…いつか広島に行けたらいいな」
「なんで広島なんかに行かなきゃ行けないの?」
「それは…いつか自分で分かる時が来たら言うよ」
「はぁ?」
サキはその言葉の意味を理解していなかった。後にサキは自分の言った言葉を後悔するとは本人を思わなかった
「あ、ゲームしていい?」
「いいよ。三時間だけね」
「はーい」
サキは二階からテレビゲームを持ってきて、テレビに接続した。そして、ソファーに座ってゲームを始めた。そんな様子を後ろから見ていたハルト王子であった
登場人物
サキ
ハルト王子
天気:曇り時々雨




