第百七十話 絵柄陣取りゲーム(終了)
じゃんけんの結果、ソフィ、誠哉の順で進めることになった。
ここでいったん整理しておくと、今回のルールはその一、カードは2枚1組で25組50枚ある。これを中心を開けた形で7×7に並べ、余った2枚をそれぞれのプレイヤーの前に置く。その二、とったカードはその場に置いたままとし、自分の手元にある石を置いてマーキングする。その三、自分のカードで相手のカードを挟んだ場合、間にあるカードは自分のものとする。その四、このゲームにおける勝利の条件とは、ゲーム終了時に51まい以上のカードを保持していることを言う。なお、50枚同士で引き分けている場合は延長戦とする。その五、審判員が何かしらの違反行為をしていると判断した場合、違反行為をしたプレイヤーは即刻敗北とする。この5つだ。
6つ目の質問は一切禁止に関しては、ゲーム進行中には関係ないのでいいだろう。
ソフィはまず、自分の目の前を除き、左上基準を1列目1番、その右隣を2列目1番と数えるて1列目1番と2列目1番をめくる。絵柄はそれぞれ月と太陽だ。
続いて誠哉が自分の目の前のものと7列目7番をめくった。絵柄は、それぞれ王女と国王。
何回かこれが繰り返される。
気づけば、ゲームは誠哉15、ソフィが5である。
ここまで圧倒的に行くと、少し裏がありそうで怖いが、さすが前回のようなことはない。
「……誠哉の番よ。早く引きなさい」
「わかってるよ」
誠哉がカードを引き、再びカードを獲得する。
ソフィもまた、それと同様にカードを引いた。
「……それにしても、ソフィ。あなたはいかさまなしだと相当不利なようね。やっぱり、いかなる勝負事にもいかさまを持ち込むからかしら?」
ここまで行くと、ある可能性に思い当たる。
それは、このゲームが単純にアルドンサのソフィに対する憂さ晴らしであるという可能性だ。そもそも、ソフィの口調からして彼女の目的は先代勇者。しかし、それは観測者としてではなく個人的なものだ。
だとしたら、アルドンサが彼女の側につくとは限らないのだ。
オリーブの時もそうだが、彼女はかなり人を下に見るところがある。
そう考えると、このゲームの何かしら裏でやっているとみて間違いないだろう。
ソフィがカードを引く、互いにはずれ。続いて誠哉がカードを引き、2枚を獲得する。
それぞれが違う思いを抱きながらゲームは粛々と続いていた。
「きひひひひ、なかなかやるね。たぐいまれなる運とそれを裏付けるような記憶力。素晴らしいわ。いや、本当に」
「そらどうも……面倒なことにボクとしては、運だけで勝ててるよ」
「そう? 神経衰弱という一面を持っている以上記憶力は重要だよ。きひひひひひひ」
しかしながら、ソフィが笑顔を浮かべていることには変わりない。
「まぁいいか。面倒だけど、ソフィの番だよ」
「そうだったね。きひひひひひひ」
ソフィがカードを引く。
再び2枚を獲得する。
「そろそろ終わりだな」
「そうだね。でも、最後まで勝負は分からないよ。きひひひひひひひひ」
ソフィの笑い声は空間にむなしく響く。
誠哉がカードを引く……
結局、大きな逆転があるわけでもなくゲームは進行していった。
「終わり。最後の逆転はなかなかだったけれど、しきれなかったわね」
結果的にはソフィが21枚、誠哉が29枚である。
後半、一気にソフィが追い上げてきたが、誠哉が逃げ切った形となる。
「……残念だったね。ボクの勝ちだ」
「チッ」
ソフィは小さく舌打ちをすると誠哉に背を向けた。
「私はあきらめないよ。ぜーたいにその先代勇者を手に入れる。じゃあね。きひひひひひひひひひ」
ソフィは、笑い声だけを残して消えて行った。
それと同時に誠哉たちも意識を刈り取られ、深い闇にへと沈んでいった。




