第百六十九話 絵柄陣取りゲーム(再開)
静かな中、誠哉とソフィが交互にカードをめくっていく。
左上を基準として行くと、今までの手順は次のように進んでいった。
気が付けば、誠哉は20組近くを取っていて、圧倒的に有利な状況にあった。
「面倒なことに強気な態度はどこかへ行っちゃったみたいだね」
「きひひひひ、言ってくれるね。これからが本番だよ。私がとられっぱなしとでも思った?」
しかしソフィは余裕の笑みを浮かべながら橋のカードをめくる、そこに書かれていた絵柄は女神。
もう一方の端をめくっても女神だった。
「私が端っこを手に入れたわ。これで、もう一方の端を手に入れられたらこの盤上のカードすべて私のモノよね。きひひひひひひ」
そう言ってソフィはもう一方の端と端をめくる。
絵柄はともに太陽。
「これで全部囲んじゃった」
「囲むって、四隅を取っただけじゃ?」
「……あなた、ここまでゲームを進めていて囲みの定義。知らなかったの?」
驚いたのか、アルドンサの表情が少しばかり変化した。
「ソフィ。ルール説明はいかようにしたの?」
「……えっと、ですね……」
「観測者ソフィ・ロール・ロパルツ。答えなさい」
ソフィは、苦虫をかみつぶしたような表情を浮かべて後ろへ後退する。
「……まさか、審判を呼んで私が自らくるとは思っていなかったのかしら? 相手はオキムラセイヤよ。私が出ない理由はないわ。それとも、私にそれがばれないようにごまかせるなんて、甘い考えでいたのかしら?」
「いや、それは……ですね。私としては、ちょっとルール説明に不備があったかとは認めますが、それがワザとなどということは一切なくてですね。その……きひひひひ、アルドンサ何を言っているの。あいつが勝手に理解しなかっただけで……」
「あら、そうだったの? というとでも思った?」
アルドンサがソフィの方に歩いていくと、それに伴ってソフィも後ろへと下がっていく。
「それで? 言いたいことは?」
「えっと、その……きひひひひひ、冗談きついよ」
アルドンサの周りは次々とたくさんの人形が現れる。
「もう一度、チャンスをあげるわ。今度は正々堂々と戦いなさい。リスタートよ」
「はっはひ!」
アルドンサの気迫に押され、委縮したソフィは涙目でうなづいていた。
これを見ていてもそうだが、やはり観測者最強はアルドンサなのだろう。
「わるいわね。この勝負は無効。改めて始めるわ。とここで改めてルール説明に入るわ」
「それは、アルドンサに任せるよ」
「それと、カードを並べるのも私がやるし、ややこしいルールは撤去して神経衰弱にオセロのルールを組み合わせたものとするわ。それを踏まえた上で再び説明するわ」
なんだかよくわからないが、先ほどの負け話になったようだ。
誠哉とマリナはほっと胸をなでおろす。
それにしても、あれほど先代勇者がどうと言われて一向にそれを気にする気配がないマリナの態度も若干気になってしまうが、それは今、気にすべきことではないだろう。
「それでは、ルール説明に入るわ。その一、カードは2枚1組で25組50枚ある。これを中心を開けた形で7×7に並べ、余った2枚をそれぞれのプレイヤーの前に置く。その二、とったカードはその場に置いたままとし、自分の手元にある石を置いてマーキングする。その三、自分のカードで相手のカードを挟んだ場合、間にあるカードは自分のものとする。その四、このゲームにおける勝利の条件とは、ゲーム終了時に51まい以上のカードを保持していることを言う。なお、50枚同士で引き分けている場合は延長戦とする。その五、審判員が何かしらの違反行為をしていると判断した場合、違反行為をしたプレイヤーは即刻敗北とする。その六、これより先、このルールに関する質問等は一切禁止とする。以上よ」
アルドンサがルール説明を終えると、誠哉とソフィはお互いにうなづいた。
その様子を見ていたアルドンサは、片手をあげて人形たちにカードを並ばせ始めた。




