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12/31 代償




「……かみさま……」


 栗色の瞳が、にこりと細められる。


「それにしても、お主。随分無茶をしおるの。あの様な事をすれば、どうなるか。わかっておるだろう?」

「…………」


 ぎゅっ、と。汐は自分の手を握りしめた。

 出来ると思っていた訳じゃない。

 でも、それを成した人がいるのだ。

 なら汐にだってーー、出来る可能性は充分にあった。 


「あの(すべ)は、誰に習ろうたのじゃ?」

「習ったわけじゃ……」


 見よう見まねだった。

 そしてそれは、偶然見ることが出来た、奇跡の芸だった。

 クリスマスの日、夕刻の砂浜で。

 賀川のお兄ちゃんを『試す』と、子馬のお兄ちゃんと(あみ)お姉ちゃんが仕組んだ茶番劇。

 実際はそんな事なくて、戦うお兄ちゃんたちは真剣だった。

 でも、アクシデントがあって、賀川のお兄ちゃんに危険が迫ったその時ーー

 汐は見たの。

 雪姫(ゆき)お姉ちゃんが、自分の心を、想いを、命を使って、賀川のお兄ちゃんを危険から助けた、その瞬間を。

 だからわかった。

 そっか。

 こうやって〈力〉を使うんだって。


「……なるほどのぉ」

「!」


 ばぁばと同じ姿をした神様が。

 汐の心を読んで、くすりと笑った。

 ーーすべて、見透かしたように。

桜月りま様より

雪姫ちゃん、賀川さん、高馬くん

2013/12/25クリスマスの話

お借りしてます

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