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12/31 汐は俺のだ




「こんっな逝かせ方、許さねーぞ!」


 フィルの恫喝が、波音を裂いた。


(そいつ)は俺ンだ。ーー呼び戻せ!!」


 鋭い蒼の視線に射抜かれ、所在(ありか)太陽(ひかり)が息を呑む。

 いつの間にか涙を引っ込め。

 太陽は、その場にストンと崩れ落ちた。


「…………」


 所在は、しばらくぱちぱちと瞬きをして。

 それから、ふっと微笑んだ


「所在『さん』、なんて呼ぶからーー寂しかったんだよ?」

「はぁ!?」


 あまりに的外れな言葉に。

 フィルの思考が、一瞬止まる。


「おっ前、今そんなこと言ってる場合じゃーー」

「わかってる」


 やわらかく、遮る。

 周囲を漂う夜輝石の光の中で、所在は腕の中の汐をそっと抱き直す。

 誰にも渡さない、とでも言うように。

 そのまま、小さな耳元へ唇を寄せた。




「うしお……汐。聞こえている?」

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