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12/31 決めたんだもん!
「それ以上は……、ダメだ。ーーお前のためにならない」
「ーーえ?」
所在の言葉に、汐は瞳をぱちくりとする。
お前のためにならない?
その、言葉の意味はーー
「うぅ……、違う。僕は、ぼく、はーー」
「……どう、いう……」
「もうやめろ」
汐の声を遮って、フィルが告げる。
抱きしめる腕が、強くなる。
「……でも……」
汐の視界の端で、所在が苦しそうに息をしている。
その顔が。
ほんの一瞬だけ。
汐を見て。
ーー柔らかく微笑んだ。
「……っ……」
夜輝石の小瓶から。
ふわり、光が溢れる。
所在の腕輪からも、世界に溶けるかのように、ぽろりと光が落ちる。
「……やっぱり、だめ……」
「え」
「汐はーー」
汐の胸で揺れる夜輝石の小瓶が、その光を強くする。
所在と汐とフィルの周囲を、ふわふわと光が舞う。
そんな中、汐が叫んだ。
「ーー決めたんだもん!」
周囲を舞う光が、爆発するかのように溢れ出た。
「っ?!」
自室にいた太陽は。
はっ、と顔を上げた。
電気の付いてない薄暗いその部屋で。
微かに光が見えた気がした。
海。そして。
森へと繋がる、人気のない、岩場の方。
行方不明だった所在を、見つけた場所。
「……所在くん? ……汐?」
胸騒ぎがする。
嫌な予感を胸に抱えたままーー
太陽は部屋を飛び出した。




