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二話 嘘 ②


 四時間目も終わり、昼休みに入る。


「おい、浅羽! 昼飯食おうぜ!」


 中西が弁当を持って俺の前の席にドカッと座る。

 中西が俺の前で弁当を広げるや否や、俺は昨日買っといたチーズピザパン(120円)を貪り、パックの野菜ジュースで流し込んだ。


「そんな腹減ってたのか……?」


 などと中西が異様な目で俺を見つめていたが関係はない。

 俺はチーズピザパンをものの一分で飲み込むと、席をガッと立つ。

 驚く中西を無視し、俺は教室のドアを開ける。後ろで中西がひっそりと呟くのが聞こえた。


「オレ、何か悪いことしたか……?」







 中西のことはひとまず置いとくとして、この時間だと優希は友達と中庭で弁当を食べてるはずだ。


 すたすたと早足で中庭へと急ぐ。


 学校の中庭はそれほど広くはない。校舎と体育館の間にあるスペースに、園芸部が育てている花壇と、ベンチがニ、三個置いてあるだけだ。


 中庭に着き、優希の姿を探したが、ベンチを見ても他の生徒が楽しそうに弁当を広げながら談笑しているだけで見当たらなかった。


 どこに行ったんだ? 優希の奴。中西に気を取られてた隙にいつの間にか教室から居なくなってたし……。






 中庭を後にし、俺は校舎の中を歩いていた。


「もしかして、また先生に呼ばれてるとかか?」


 そう呟き、職員室をこっそりと覗く。職員室って何か緊張するんだよなぁ。

 それはさておき、優希の姿は…、いないか……。


「おい、浅羽何やってんだ?」


「!!!」


 後ろから声をかけられ、ビクゥッ! と思い切り肩が上がった。

 ひっそりと後ろを振り向くとそこには。


「げ、森野……」


 俺は顔をひきつらせながら、後ろに一歩後退した。


「森野せ・ん・せ・い、だろ?」


 そう言って森野は何かの書類で俺の頭をポンと叩いた。


「こんなとこで覗いて何してんだ? 用があるなら入りゃあいいだろ?」


「い、いえ、別に用なんか……」


「そうかぁ? 珍しくお前が授業のこと聞きにでも来たと思ったんだが……。お前ももう少し真面目に勉強をだな──」


「し、失礼しまーす!!」


「あ、おい! 浅羽!」


 俺は一目散にそこから逃げ出した。


 話が長いんだよ森野の奴! 貴重な昼休みをお説教で終わらせてたまるかってんだ!


 あ、そうだ。優希…優希……。






 俺は引き続き、優希を探す為、廊下を歩いていた。昼休み終了まで残り半分か……。早く優希を探さねぇと……。


 さっさと足早に歩いていると、通り過ぎようとしていた脇の階段から、突然何かが俺の服の裾をがっしりと捕まえてきた。


「へ?」


 振り向くと、一人の女子生徒が暗くうつ向き加減で屋上を指差す。


「? もしかして…、優希のいる場所教えてくれてるのか?」


 そう聞くと女子生徒はゆっくりと小さく頷いた。顔は見えなかったが。


「ありがとう!」


 女子生徒にお礼を良い、俺は早速屋上へと向かった。

 それにしても暗い感じの子だったな。何で優希の居場所が分かったんだろ?






 階段を上り、屋上のドアの前までやってくる。


「あれ? 優希いないな?」


 まさか外か? でもこの屋上、前にも来たけど、ドアには鍵が掛かってたはずだし……。あれ?


「開いて…、る?」


 屋上へのドアを開け、俺は足を踏み入れた。


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