3.リプレイ
文字数少なくてすみません!
今後は読みやすい位置で区切っていくことにしました
各話で文字数のばらつきが出ますがご了承ください!
だが、卒業式までの1年間、いくつものイベントをこなしたが、攻略対象たちの好感度はなかなか上がらない。
結局、卒業パーティまでに好感度は1、2程度にしか上げられず、ベルスアークに至っては0のままだった。
そうして迎えた卒業パーティ。
シェリルは投獄された牢の中で涙目になりながら叫んだ。
「普通の悪役令嬢異世界転生ものなら断罪回避してハッピーエンドってのがお約束でしょ!?」
1年間奮闘した結果、シェリルは卒業パーティで再び断罪をされてしまったのだ。
ただ、一回目に刺殺されるエンディングとは異なり、今回は投獄され、死罪を言い渡されてしまうというデッドエンドを迎えることになった。
(このまま死ぬなんて嫌よ。何とか打開策を考えなくちゃ!)
どこの選択肢を間違えたのだろう。
シェリルはパンと両手を叩き、空中にいつもの水色に発光するメニューを呼び出した。
(……そういえば、「リプレイ」っていうメニューがあるのね)
これを押すとどうなるのかは分からない。
だが、せっかくあるのだから、物は試しというし、押してみる価値はある。
シェリルはそう考えて、「リプレイ」を押してみることにした。
「っ!」
次の瞬間、視界が真っ白になった。
眩しい光に包まれ、目を閉じているのか、開けているのかも分からない。
そして不意に小鳥の囀りが聞こえ、目の前には見慣れた天蓋があった。
やがてアイリが部屋に入ってきて、カーテンを開け始めると、にこやかに声をかけてきた。
「シェリル様、おはようございます。今日は入学式ですから、早くご準備をいたしましょう」
そう。
学園の入学式まで時間が巻き戻っていたのだ。
(これってリプレイできているってこと? じゃあ、今度こそ断罪を回避してやるわ!)
だが、その意気込みも虚しく、シェリルはその後も断罪→リプレイ→断罪……という巻き戻りを繰り返し、気づけば98回巻き戻りをすることになったのだった。
※
そして今、シェリルは98回目の人生もまたデッドエンドで幕を閉じてしまった。
もういい加減卒業パーティの先に進みたい。
ゲームプログラミングの際には、実装したプログラムを実行し、想定通りの挙動になるかを確認するため、繰り返しゲームをプレイすることには慣れているが、いかんせん98回もゲームをプレイするとなるとさすがに辟易する。
はぁ、と地を這うような深いため息をつくと、シェリルは「エンディングリスト」のボタンを押した。
殆どのエンディングは回収済みだが、一つだけ空欄になっている。
実を言うと攻略対象の好感度を上げても、デッドエンドになってしまっていた。
「レーブ・サン・ファン」のヒロインであるディエラの毒殺容疑で処刑されたり、攻略対象に毒を盛られて死亡したり、夜道を歩いていたら何者かに刺殺されたり……
(ということは、一人の攻略対象の好感度を上げてもダメってことよね。恋愛ゲームというよりも大団円ルートを目指すゲームなのかしら)
この世界は「レーブ・サン・ファン」の世界ではあるが、自分はヒロインではなく悪役令嬢なのだ。
もしかしたら悪役令嬢が攻略対象と恋愛関係になるという内容のゲームではないのかもしれない。
そう考えると、エンディングが1つだけ空欄だというのも納得できる。
次にシェリルは「フローチャート」ボタンを押した。
目の前には1回目とは異なり、イベントを示す四角と丸を結ぶ線が縦横無尽に走っている図が表示された。
イベントと思われるところはほぼクリアしている。
だが、何か見落としがあるのかもしれない。
(でもなぁ。考えても分からないし。まずはもう一回トライしてみるしかないわよね)
そう思いながら、シェリルは浮かび上がった「リプレイ」のボタンを押し、99回目のループを行った。
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