ep.22 体育祭 部対抗リレー4
体育祭の日は、快晴で順調にプログラムは進んでいた。
今村が腕を組んで言った。
「小細工は無用。
私たちの作戦は、先行逃げ切り、つまりは早い順で全力で駆け抜けるのみ。
涼川、高木、片桐、立川、私の順だ。
安心してくれたまえ、高木がいるけど、ほぼ女子やから女子枠で特別出場できる」
(いや~かえってプレッシャーやな・・・)
「緊張でおなか痛い」
立川も不安そうだ。
「私たちは、服装は制服で、バトンが本やから、装備的には有利。
サッカー部はバトンがサッカーボールやし、剣道部はヨロイ着て、バトンは竹刀やからな」
「片桐さん、ヨロイって・・・
涼川さんは調子どう?」
「ん、悪くはないで、後はやるだけやん」
(う~ん、スマートだ・・・)
そうこう言っている内に部対抗リレーがはじまった。
一番手の涼川が、列に並んだ。
ピストルがなると同時に一斉に走り出した。
陸上部と涼川がほぼ同じペースで抜き出る。
「涼川さん、陸上部と渡り合ってる、というかちょっと出てきた!」
涼川がわずかな差だがトップでやって来て高木に本をパスした。
高木はスムーズに受け取るとそのまま走り出した。
陸上部が、追い上げて来て高木を抜いていく。
高木はそのまま、片桐へとパスする。
片桐もスムーズに受け取ると走り出した。
テニス部が追い上げてくる。
(負けてたまるか~)
片桐もスピードアップ、テニス部と同着でパス。
立川が受け取り走る。
サッカー部が追い上げて来て抜かれた。
(ああ、泣きたい・・・)
剣道部が迫ってくるがまだ差は大きい、そのままパスに入る。
今村は少しおたおたとしながらも本を受け取り、走り出した。
片桐がつぶやいた。
「遅っ・・・」
ぐんぐんと剣道部が迫って来て、ゴール直前で追い抜かれてゴールした。
今村はひーひー息が上がっていたが、一息つくと皆に言った。
「まあ、みんなが全力を尽くした結果だ。
みんなよく頑張った」
(後ろ向いて走ってるんかと思った)
片桐はさすがに口にはしなかった。




