ep.21 体育祭 部対抗リレー3
文化研究部の部室では、片桐、立川、高木の三人が集っていた。
「で、片桐さん、助っ人の件、どうやった?」
「友達とか、そのツテでいろんな部の人にあたったんやけど、生徒会の目を気にしてあまり協力的じゃなくて、苦戦中・・・」
「そっか・・・
俺も少ないけど当たれそうなとこ、あたったけどあかんかったし」
「私も右に同じ」
「手詰まり感が半端ない、ん、メッセージ来た」
片桐がスマホを見る。
「おお、涼川さんからメッセージ来た」
『助っ人って具体的に何をすればええの?』
『五人でそれぞれ百メートルをリレーで走る、うちの部は文化研究部やからバトンは本。
助っ人入ってくれるん?』
『ええよ』
「来た~!」
スマホをかざしながら片桐は叫んだ。
「片桐さん、来たって何が?」
「助っ人が来た~!」
「ほんまに!」
「涼川さん、普段の返信、塩対応やけど、今回、生徒会にいじめられて困っていること相談したら助っ人に入ってくれるって」
「すごいな、あの涼川さんが・・・」
『部室に来てくれる?』
『わかった』
しばらくすると部室に涼川が姿を現した。
(なま涼川さんが来た)
涼川は静かな口調で言う。
「こんにちは。部室にお邪魔します」
「涼川さん、待ってたよ~」
「これで今村先輩をいれて五人達成、スタートラインに立てた訳や」
「それで、私を呼んだのは?」
片桐が人差し指を立てて言った。
「どのくらいの速さか、高木くんと走ってもらえへん」
「片桐さん、また、無茶ぶりやな」
「この格好で走るん?」
「まあ、だいたいの速さみたいだけやから」
「まあ、ええよ、じゃあ、表出よか」
四人はグランドへと移動した。
「とりあえず、靴だけ運動靴履いてきた」
言いながら涼川は足のストレッチをしている。
・・・・・・
・・・・・・
「準備はええ?」
涼川と高木がうなずく。
「じゃあ、涼川さん、高木くん、並んで」
涼川と高木が一直線に並ぶ。
「よ~い」
片桐が片手を上げる。
「どん!」
片桐が片手を振り下ろして叫ぶと、涼川と高木が一斉に走り出した。
涼川がリードし、その差が広がる。
百メートルを走り切るときには、その差は五メートルくらいにはなっていた。
「速っ!涼川さんすごいやん!」
「スカートやから少し走りにくかったわ」
片桐があごに手をあてながら言う。
「これは期待できるんちゃう
当日は、それぞれ部を象徴するかっこで走るから、狙いは剣道部!
ヨロイ着るやろうから人工肥満体みたいなもんや、勝負はもろたわ」
「片桐さん悪い顔になってるで・・・」




