ep.19 体育祭 部対抗リレー1
放課後、文化研究部の部室に部員四人が集まってレポートを作っていた。
部長の今村が人差し指を突き出して言った。
「そういえば、もうすぐ体育祭やけど、部対抗リレーがあるのでみんなに参加してもらう必要がある」
立川があからさまに嫌そうな顔をする。
今村が続ける。
「冗談じゃなく、私の走力は下の下だ。
なので皆の奮戦に期待する」
立川がうつむき加減でつぶやく。
「私も下の下です」
片桐が続く。
「私は良くも悪くもないから後は高木くん次第ってところか」
「いや、片桐さんも頑張ってよ。
そもそも四人のうち、二人が下の下の時点で勝負にならないんじゃ・・・」
「高木くん、勝負は諦めた時点でホイッスルやで!」
今村が言う。
「ちなみにレースは五人で行われる」
「はっ?」
「先輩、一人足りないんですけど?」
「そうだから、足の速い助っ人を連れてきて欲しい。
そうでもなくても、我が部の存在意義が低下している今日この頃、色々と実績を作らないと厳しい状況なんでな」
「その通りだ、今村、良く分かってるじゃないか」
そう言いつつ部室に厳しい目つきで髪の長い女性が入って来た。
「お、お前は、神宮司・・・」
「先輩誰ですこの人?」
「生徒会長の神宮司彩芽、文化研究部の廃部を目論んでいる厄介な女だ」
「少人数、活動実績ほぼ無し、部室不足で他の部からも少なからず疑問の声が上がっている。
それが事実だ。
何も活動自体を辞めろとはいってない、部ではなく仲良しクラブとしてやればいいと言っている」
そう言うと神宮司は髪をかき上げた。
(なんか、言い方にすごい棘を感じるんですが・・・)
片桐が勢いよく立ち上がった。
「私たち、部対抗リレーでビリにはなりません!」
(意識低っ!)
「ほお、威勢がいいな、今村の運動音痴を舐めないほうがいいぞ
ちなみに対戦相手は、陸上部、サッカー部、テニス部、剣道部の予定だ。
まあ、笑いを取り過ぎないように注意したまえ」
そう言うと神宮司は部室から出て行った。
(色々すごいな・・・)
「それにしても俺たちが入る前によく廃部になりませんでしたね」
「ああ、去年は三年生が三人いたから何とか乗り切った。
今年はダメかと思ったけど三人ご新規様がいたからなんとか」
「めちゃくちゃ自転車操業じゃないですか・・・」
「私はそろそろ塾に行かないといけないから失礼するよ。
助っ人の件、よろしく頼むよ」
今村はそういうと部室から出て行った。
「だいぶ放任主義やな」
「まあ、だから自由気ままにやれてるところもあるから」
「ちなみに高木くん、当てはある?」
高木は手で頭を掻きながら言う。
「いや、正直、友達少なくて・・・」
「公佳は?」
「右に同じ」
「しゃあない、私のネットワークにあたってみよか」




