ep.11 野外活動1
この日、西谷の少年自然の家では、宝塚ゆずり葉高等学校の野外活動が行われていた。
天候は晴れ、野外活動日和だ。
昼は、地図と方位磁石を頼りに、スタンプを集めるスタンプラリーだ。
目当てのスタンプNo.5がなかなか見つからない。
村中は地図を眺める野田に言った。
「野田、ほんまにこっち?」
「あれ、おかしいな、さっきのNo.3があそこにあったから、方向はこっちやと思うねんけど・・・」
「ちょっと、僕にも見せてくれる?」
そう言ったのは、坂下だった。
坂下は地図と方位磁石を何度か見やると言った。
「たぶん、こっちに行ったほうがええと思う」
「そう、たぶんそっち」
先ほどは違う方向を指さしていた野田が調子よく言う。
そのやり取りを見ながら、村中は思った。
(坂下君はしっかりしてるな・・・
あれから、私と坂下君の関係は膠着状態が続いている。
自分は徐々に惹かれていっている気がするけど、坂下君はどうなんやろ。
かわいいと好きはやっぱ違うんかな・・・)
夜は定番のキャンプファイヤーだ。
大きな焚火を囲み、みんなで合唱するあれだ。
一通りイベントが終わると自由時間になった。
野田が言った。
「いい月だな~、村中」
「そうやね、なんかみんなで火を囲むのってちょっと青春ぽいやん、なあ、坂下君?」
「そうやね」
村中がいい雰囲気だな~と思っていると篠田がやって来て言った。
「渡辺~、何か勝負やろうぜ」
(篠田か~、せっかくの空気台無しになるんとちゃうか・・・)
村中は若干の不安を覚えた。
「おっ、篠田、ええで勝負したるで」
渡辺は応じつつ村中に話を振る。
「村中、勝負のテーマくれや」
「勝負のテーマ?
そうやね・・・
じゃあ、初対面の女子にしたらダメな挨拶でどない?」
「よっしゃ、ええやろ」
篠田と渡辺は応じて、何やら真剣な顔で考え出した。
村中が指さして言った。
「じゃあ、先行、渡辺!」
「はじめまして、やりチンの渡辺です」
・・・・・・
「後攻、篠田!」
「どうもお嬢さん、おっぱいコマンダー・篠田です」
・・・・・・
野田が渋い顔をしながら言う。
「う~ん、引き分け、両者ともに気持ちが悪い」
(ほんまに絶対あかんやつやん・・・)




