6.6.11
週明けの月曜日。
学校が終わって家に帰ると、まゆさんが遊びに来てくれた。
まゆさんも、ヒマらしい。
まゆさんの帰国理由は、3つ。
1つは、ホームシックの解消。
もう1つは、わたしに会うため。
最後の1つは、会社を興すためらしい。
「なんで会社?」
「ぜんぜんわからないんだけど、大人の事情?」
「じゃあ、まゆさん、社長になるの?」
「そうみたい。お父さんの会社の子会社にするんだって」
「ぜんぜんわかんない」
「バイトで稼ぐおカネがね、そのままだと税金で取られるだけだから、法人化しろって言われた。だからバイトは廃業で、次からは会社で受注することになるんだって」
「バイトって、時給いくらだったの?」
「時給っていうか、1件で、2万ドルとか?」
「えーと……?」
「だからね、ボストンに住む借家とかも、経費にするとかなんとか。わたしにもぜんぜんわかんないよ」
「会社ってことは、社員とかいるの?」
「会計士の事務員がいるけど、所属はお父さんの会社。でもおカネの管理は、ぜんぶその人がやってくれることになった」
「じゃあ、まゆさん、ますますおカネの存在を気にしなくなるね」
「ん……知ってるよ。これで払えばいいんでしょ」
スマホの画面に映し出された、クレジットカード。
なんかズレてる気がするけど、おカネではあるのか。
まゆさんは、晩ご飯を食べてから帰った。
久々にまゆさんと食べた晩ご飯は、ホワイトシチューだった。
しかもご飯にかけて食べた。
まゆさんと食べるシチューは、ほんとうに美味しかった。
0時の少し前に、ログインデバイスを出してニフィル・ロードへ。
世川君がいるかもしれないから、探せと言われている。
とりあえず、噴水広場へ。
そのまま、拠点の建設現場へと足を運ぶ。
ここ数日。
豪華フレンチは、本当にまかないになっていた。
トマト煮込みとか、野菜と謎肉のシチューとか。
コース料理の様相はなく、単品1皿とあとはパン。
とはいえ、美味しい。
小麦粉も手に入りやすくなったらしく、パンもフカフカ。
パスタの日もあった。
変に凝ってないので、庶民の味に近い。
わたしでも食べやすい。
いまのところ、接待イベントの予定もない。
フリッツやミシェルは、食材の調達とメニュー開発を進めている。
調達は、安く仕入れられるメモリアが基本になるようだ。
だから、クララやハンナも、メモリアへ渡って活動する時間が多くなっていた。
お店はまだ先だけど、宿舎の建設は、かなり進んでいる。
アパートのような外観だけど、すでに骨組みができている。
ルシアのテントから見て、正面がアルベールの敷地。
そこがメインホールとバーになるらしい。
その奥にフリッツの敷地があり、VIPルームにするらしい。
右隣はミシェルの敷地で厨房設備。
左隣はハンナちゃんの敷地で、レストランスタッフの宿舎になるようだ。
ディルの敷地はその奥。そこが、わたしたちの宿舎になる予定。
ルシアを含めると、敷地はなんと6人分。
いったいどんな建物ができるのか。
楽しみではあるけど、実感はない。
資金はたっぷりある。
昼間の大工さんも倍くらい増えて、30人くらいになっていた。
すごい規模だ。
いったい、だれがギルドマスターなんだ。




