↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『あの世界』の常識に巻き込まれていく話  作者: 渡しログ
カラフルな『あの世界』
486/588

6.3.03



 朝食は、ルシアが持ってきた大麦。

 それとカブとネギみたいな野菜。

 そして、タデクが昨日捕まえたという、小動物のお肉。


 それをポタージュにしたなかなか豪勢な朝食だ。

 味はまぁ……だいぶまし。


 調理したのは、わたしとタデク。

 タデクは、料理上手なのではなく、野営上手。

 中世の野営料理の味付けは、タデクのほうが詳しかった。


 今日は、ボウルとスプーンも人数分ある。

 遠征中のキャンプと変わらないけど、生活がだんだんと良くなっていく。



 朝食を食べながら、ルシアは、信頼エレメントに関する政治の説明を始めた。


「まだ、本格的には動き出してないみたいなんだけど、ギルド評議会というのを立ち上げるらしいわ」


「あ、さっきの女の人も言ってた。評議会に知り合いがいるって」


「あら、そうなの? でも、まだ準備中みたいよ」

「じゃあ、ウソだったのかな」


「どうかな。評議会メンバーは24人で構成されるんですって。そのうちの12人は、もう決まってるらしいから、そのなかの誰かなんじゃない?」


「ギルド評議会と、ギルドって、なにがちがうの?」


「簡単にいうと、ギルドはタデクがいうように、プレイヤーがあつまる組合とか、寄り合いの集団。ギルド評議会は、そのギルド全体の管理組織みたいな立場になるらしいわ」


「ふーん」


 ぜんぜんわかんない。


「ギルドは沢山あるけど、評議会は1つ?」


「そうよ。ギルドはね、10人くらいの小規模なものから、百人を超える大規模なものまで、たくさん出来るらしい。で、そのたくさんあるギルド全体にルールや基準を設けるのが、ギルド評議会……なのかな。私もその先はよくわからないわ」


「じゃあ、みきたちも、どこかのギルドに入ったほうがいいの?」

「どうかしら。入っても、身動き取りづらくなるわよね」


 ここまで口を挟まなかったタデクが言った。

「ドイツ人とロシア人のいないギルドにしてくれると助かるよ」

「ロシア人はまだ見てないけど、ドイツ人はけっこういるわよ。3割くらいドイツ人じゃないかしら」


「なら、運営がプロイセン人じゃないギルドにしてくれ。ロシアは論外だ」


「プロイセンかどうかなんて、見分けつかないわよ」

「偉そうにしてるドイツ人だ。すぐにわかる」


「じゃさ、私たちで、ギルド作っちゃうとか」

「できるの、そんなこと?」

「さぁ? 申し込みとかするのかしら。今日、調べてみるわ」


「作るって……たった3人でかよ?」


「だめなの? 3人じゃ?」

「オレの知ってる鍛冶ギルドや陸運ギルドは……何人かは知らんが、数百人規模だと思うし、カネもコネも必要だぞ」


「ぜんぶ無いわね……ところで、ミキ」

「うん?」

「最初はなにを目指したらいいの?」


「あぁー……」


 そうだった。

 信頼には、パパとママがいない可能性高いから、知恵まで行かなきゃいけないんだ。


 だとしたら、最初に目指すのは……


「エレメント・コアの突破かな」

「あー、聞いたことある。何千人て規模で攻略するのよね?」

「うん。みきたちだけじゃ、どうにもならないから、人任せでもいいんだけどね」


「なんだソレは。戦争でもするのか」

「うん。戦争とは違うけど、ウィルコープスっていうのがウジャウジャいるから、大勢でいかないとエレメント・コアまで行けない」


「よくわからんが……誰かを殺せばいいのか」

「いやあの……そんな物騒なものでもないんだけど」


 ところで、タデクは、いっしょに来てくれることになったのかな。

 口ぶりだとそうっぽいけど。直接聞くのがなんか。


 ルシアが地面にボウルを置いた。

 先に食べ終わったらしい。

 そのルシアが、まとめに入る。

「それじゃあまずは、ギルドを作れるかどうか探る。まずはそこからでいい?」

「だから、たった3人でかよ」

「昔のギルドとは文化が違うのよ。可能かどうか調べるから」

「昔ってなんだよ……言ってる意味がときどきわからん……」



「ねぇ、ルシア。調べるって言うけど、どうやって?」

「昨日仲良くなった人がいてね。そのヒトに聞いてみるわ」


「プロイセンじゃないよな?」

「違うけど……タデクと仲良くできるかしら?」


「どこの国の人間だ」

「オスマン帝国って言ってたわ」

「うむ。問題ない。争ってたのは何百年も前だ」


「ならいいのね。タデクもいっしょにいく?」

「かまわないが、テュルク語もギリシャ語も話せないぞ」

「大丈夫よ。その人もドイツ語喋れるから」


「またドイツかよ……本当にプロイセンじゃないんだよな?」

「だから、違うってば。どっちかっていうと北欧じゃないかしら」


 歴史音痴のわたしには、もうついていけない。

 わかるのは、ドイツ人がひとりもいないのに、共通語がドイツ語ってこと。

 ほんとーに、へんな世界。



「ねぇルシア。みきも、いっしょに行っていい?」

「もちろんよ。いっしょに行きましょ。この3人のなかで、ニフィル・ロードに詳しいのは、ミキだけだからね」


「ああ、そっか。そうだね……そうなるんだね……」



 ごめん……

 わたしは、そんなに詳しくない。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。