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第73話 巡洋艦艦橋3

 船のクラスで言えば軽巡洋艦とはいえ、こちらは戦艦と言ってもいい。一方の相手はコルベット級だ。外星を航行するのだって怪しいクラスであり、ましてや文明から遠く離れたこの星で見かけるはずのない船だ。


 その船が直上から攻撃を仕掛けてくるとは誰が予想できるだろうか。こちらは結界を捨てたとはいえ排水量で考えれば20倍近い差があるのだ。


 まさか船ごとぶつける気か? と一瞬焦ったダニエマルカムだったが、すぐに女神の船の意図をすぐに理解した。


『狙いは俺たちのいる艦橋だ!』


 母艦の直上に現れた敵コルベットから、艦橋めがけて砲弾が降り注いだ。例のごとく結界破壊弾の一斉射で結界を壊したところに、強烈な砲弾を打ち込むやつだ。さっきから何発か食らっているから、威力は身に染みている。


『ハリカム! 防御に戻れ!』


 ダニエマルカムが必死に命令を飛ばした。


 さっきまで攻撃に回っていたハリカムだったが、また防御に戻った。防御にも備蓄が使えるので、結界の張り直しが早い。さらに3重まで結界を増やして防御に徹した。


 その間に敵船への攻撃も指示を忘れなかった。


『敵艦の砲台を狙え! 敵船には2台しかねぇぞ』


 敵船も船体を左右に振って狙いを外そうと必死だったが、何度かブラスター砲が敵砲台を捕まえた。小さな爆発が何度か起きたが、修復機能が優秀なのか予備があるのか、敵の砲撃はすぐに再開した。


 じりじりとした時間が過ぎていった。


『結界が破られます!』


 ハリカムの珍しい愚痴だ。


『壊されてから張りなおすんじゃねぇ。壊れると思って先に張りなおせ』


 ダニエマルカムも必死だった。


 おそらく一分もあるかないかだが、永遠と続くかのように感じられる。敵の砲弾が一発だけ破けた結界をかいくぐるようにして撃ち込まれたが、艦橋への直撃は避けられた。


  何度か砲撃を交わしているうちに、とうとう相手の砲台に致命傷を与えたようだ。コルベットはゆっくりと離脱していった。


『よっしゃ! この隙に要塞への攻撃を叩き込むぞ!』


『岩石弾、準備します!』


 ハリカムの復唱だ。


 その時、地上にさっきのコルベットが現れた。


『敵船、結界を展開しました!』


 探知班が連絡を入れてきた。


『国王を守るってか!』


 ダルカムが茶々を入れた。だが確かに彼の言う通り、それが彼らの意図だろう。


『構わん! 準備完了次第、発射だ』


 間髪を入れず、視界に8発の巨大な岩石弾が糸を引くように地上めがけて落ちていった。最初はコルベットが張った結界を破壊し、地上から張られた3重の結界を破壊し、最後に地上から延びる巨大な岩の腕の攻撃を避けて2発が地上に落下した。


『少しだが結界が弱くなった気がするな』


 最初は3重の結界だけで2発しか地上に届かなかったのに比べると、コルベットの結界が増えたにもかかわらず同じ数の岩石弾が着弾したのだ。わずかな差だが、確実に相手を削っているはずだ。


 そんなことを思っていたダニエマルカムだったが、何かが視界の中に入ってきた。傾いてきた日差しに白い装甲が光っている。そう、女神だ。


 巡洋艦の目の前に女神が現れたのだ。


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