表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/46

第二十五話

「厄介って・・・・・」

死神さんは少し目を伏せてまたリストを見た。

長いまつげとけだるそうな二重まぶたで何を思ってるんだろう。

「この状態になってるときは」

死神さんが薄くなっている女の子のページを開けてあたしのほうに見せた。

あたしは真剣に聞く。

「体はまだ生きてるのに、魂だけが飛び出してる状態になってるんだよね、さまよっていると言えばいいのか―――まあとにかく、珍しいことだよ。めったにない。でもこのままじゃ、この子の魂は帰ってこれなくなる」

「!?・・・それって、まずいんじゃ・・・」

「だからもしかしたら埋葬前に刈ることになるかもしれない」

どくんと、心臓がはねた。

気持ち悪い感触だった。

埋葬前に刈る―――

もしかして、まだ生きてる人をあの世へ送るってこと?

ありえない。そんなのだめに決まってる。

まだそうだと分かったわけでもないのに、あたしの思考は嫌な方向をぐるぐるぐるぐるさまよいはじめた。

珍しく黙りこくったあたしを心配したのか、死神さんは説明を続けた。

「冗談だって。解決する方法はあるよ、少なくともあと3日は余裕があるし・・・」

え、冗談なの・・・?

希望が見えて、あたしは考えるのをやめてがばっと頭をあげた。

「よかった!!どんな!?」

死神さんはふっと口元をゆるめた。

その笑顔は反則だってーー!!!!

「真千子ちゃんってほんっとわかりやすいよね、見てておもしろいよ」

ちょ・・・。

うーん、死神さんから見たら、あたしなんかガキだろうな。

というか、人間をどう思ってるんだろ?

向こうは一応「神」だし・・・。

だいたいいつから生きてんだろ?

永遠にこの姿なのかな。せいぜい20前半くらいにしか見えない。

あーあ、片思いするのがあほらし。

拓馬とかにしといたほうが無難・・・って。また変な方に考えが走ってるよ!

やめようやめよう。




「死神さん・・・なに?こんな時間に・・・眠いんだけど」

夜中の三時ごろ、死神さんが訪ねてきた。

まだ真っ暗だ。

つい二時間前まで一緒にいたのに。

「眠いんだけど」といったが、本当は死神さんを見たとたん眠気はふっとんでいた。

照れ隠しから出てきた言葉だ。

ああ最悪。

変な寝相じゃなかったかな・・・

うつむいて寝てたのが幸いだった。寝顔とか見られたら生きていけない。

「ごめんごめん。急ごうと思って」

そうだ。幽体離脱した女の子を助けなきゃいけないんだった。



「それで・・・ほんとにこれがそうなの?つけたらその子が見えるってやつ・・・」

「そうそう」

どっからどう見ても、交通当番の保護者が付けるたすきだ。

あたし、何かを試されてるの?

「申請してもらってきたんだ。他の人間には見えないよ」

なんでちょっと得意げなの!?

いや見えないのはありがたいんだけど・・・。

まあいいか、変なゴーグルとかじゃなくって。

死神の世界ってどうなってんの?

あたしはそれを受け取った。

まだ頭がボーっとする。早く寝たい。

「それじゃよろしく」

死神さんは帰って行った。

ああ、やっと眠れる。

死神さんに早く帰ってほしいと思うのは初めてだな・・・。

そんなことを思いながら眠りについた。












評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ