第十八話
死神同士が向かい合った。
あたしは無意識のうちに2人から距離をとった。
できることなんてあるはずもない。
死神の力は嫌というほど思い知った。
心臓がバクバクいっている。
これから何が起こるの?
死神さんは無言で女の死神を見ていた。
死神さんが怒ってるのなんて、はじめて見た。
ただ立っているだけだけど明らかに怖い。
いつもの死神さんじゃない。
「ちっ、タイミング良すぎよね」
女の死神が舌打ちして言った。
「これまだ無事だったんだ?」
死神さんはどこから出したのか、リストを掲げて見せた。
あたしのリストだ。
女の死神が顔色を変える。
「いつのまにっっ…!?アタシ確かに持ってたはずよッ!!」
「さあ?いつだろうね」
死神さんがニヤッとして言った。
女の死神はすかさず鎌を振り回して死神さんに斬りかかった。鎌と鎌がぶつかり合う。
女の死神が何度も斬りかかる。
死神さんは防戦一方だ。
鎌を受け止めながらちらっとこちらを見て、リストをあたしに放り投げた。
「墓場まで逃げて!」
墓場?
なぜなのかはわからないけど、今は考えてる余裕なんてない。リストを受け取って言う通りにアパートの前の墓場まで走る。
「どけっ!どけよ!お前に用はないんだよっっ!!」
女の死神が叫んでいる。
やっぱりあたしが狙いなの!?
死神さんは食い止めてくれてるようだ。
鎌と鎌がぶつかり合う音がまだ聞こえているが、心配ないだろう。
死神さんは明らかに余裕だった。
こんなの敵じゃないってくらいに。
「はあっ……はあっ、あと少し…」
墓場が見えてきた。足がもつれそうになる。何百メートルも全力疾走して喉が痛い。胸も苦しい。
それでもまだ狙われているという自覚があったので、呼吸を整えながらまわりを見る。
墓場に行けと言われたけど、ここなら安全なのかな?
荒い息をおさえて、まわりの様子をじっと観察していた。




