第40話 カルヴァリィの丘の戦い 後編
町外れのカルヴァリィの丘で、
僕と蘭刃は互いに刀を抜いて対峙した。
「このカルヴァリィの丘は処刑場だよ」
と、処刑旅団の隊長の蘭刃は語り、周囲は、
12人の隊員がグルリと包囲している。
そして蘭刃が、
「良い構えだ、手強い。しかし」
そう言った、次の瞬間、僕は、
「イヤアーッ」
一気に踏み込んで、
グォン、グォン、グォン。
三段突きを炸裂させる。だが、
蘭刃は、サササッと、紙一重で躱した。
「正確な突きだ。それ故、予測しやすい」
と、ニヤリと笑みを見せた、直後に、
「ドリャアーッ!」
刀を水平に薙いだ。その攻撃を僕は、
「トウッ」
垂直に高く跳ね上がり、避ける。
先ほど見た、
ホワイトライオンの『白獅子飛行斬り』だ。
「なにッ!」
この技に蘭刃は驚いて、
僕の姿を見あげたが、そのまま僕は、
ズバンッ。
唐竹割りを斬り下ろす。
ドバッ、
蘭刃の額から血飛沫が散った。だが、浅手だ。
彼の気迫に押されたのか、僕の踏み込みは、
「僅かに浅かったのか」
「やるな、だが、こちらとて致命傷ではない」
一旦、両者は後に跳んで、距離を取る。
蘭刃の額からは、ダラリと血が流れ、
「ふぅーッ、この程度の傷」
彼は呼吸を整えながら、
「この蘭刃は雑魚とは違うのだよ、雑魚とは」
と、剣を八相に構えた。その刹那、蘭刃は、
「ドリャアァァーッ!」
気合一閃。渾身の斬撃を放ってくる。
ブオォォーン。
今度は、僕は下に身を屈めて逃れた。そして、
「イヤアァーッ!」
下から、斬り上げる。
ズバッ、バッ。
蘭刃の両手首を、一刀で断ち斬った。
「ぐあっ、何だと!」
それでも、蘭刃は、
ドカン。
肩からの体当たりで、僕を転倒させる。
「う、うあっ」
ゴロリと、地面に転がる僕。
両手首を断ち切っても、
なおも仁王立ちする蘭刃は、僕を見下ろして、
「こんな小僧に負けるとは、時代が変わったのか」
と、言葉を吐く。
この蘭刃の迫力に圧倒されながらも、
僕は立ち上がった。
「僕は、あなたに勝ちたい」
「それならば、止めを刺せ」
その一言を聞いた僕は、
「イヤアーッ」
最後の刺突を、
グサリッ。
蘭刃の喉に突き入れる。
ブジャアアァァァーッ。
鮮血が激しく噴き出た。
「あ、あぐぅ」
最期に小さく呻いた蘭刃は、
カルヴァリィの丘に崩れ落ち、血の海に沈んだ。
「ら、蘭刃隊長!」
12人の部下が悲痛な声をあげ、
倒れた蘭刃に駆け寄る。
彼らは怒りと悲しみの視線で、
「よくも隊長を」
と、僕を睨みつけ、剣を抜いた。




