第41話 そして、また旅立ち
カルヴァリィの丘で、蘭刃を倒した僕だが、
精鋭12人の処刑旅団に包囲され、
絶体絶命の危機を迎えた。
彼らは、ジリジリと間合いを詰めてくる。
「覚悟しろ、伝説の剣士」
と、一人が剣を振り上げた、その瞬間、
ズバアァンッ。
血飛沫を上げて、その隊員が倒れた。
「な、何が起こったんだ?」
よく見ると、
「あっ、時次郎さん」
紺色の着流しを着た時次郎が、
長剣で敵を斬り倒したようだ。その傍らには、
僧侶の三休狂雲と美少女・鈴花の姿もある。
「元気そうね、総司」
鈴花が、そう言った次の瞬間、
「二つ」
と、時次郎は数え、二人目の敵を、
ズザッ。
いとも簡単に、斬り倒した。処刑旅団は驚き、
「何者なんだ?」
恐怖の表情を見せながらも、
「敵は少数だ。取り囲んで、斬れッ!」
一斉に斬り掛かってくる。それでも時次郎は、
ズバッ、ズバンッ。
続けざまに、敵を斬った。
この乱戦のなかでも、三休は、
「拙僧は仏門ゆえ、殺生は控えさせてもらう」
と、朱色の木刀で敵の剣を打ち払い、
鈴花と自身の身を守っている。そして僕は、
「イヤアーッ」
気合を発して、
ズバッ、バズッ、ズバンッ。
手当たり次第に、敵を斬りまくった。
時次郎の剣は凄まじく、
ズバッ、バザッ、ザズッ、ズバッ、バズンッ。
次々に敵を斬り倒す。そして最後は、
「九つ」
と、数えて九人目の敵を斬ったようだ。
僕は三人の敵を倒して、
これで12人の処刑旅団は全滅する。
「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」
三休が経を唱え、
カルヴァリィの丘には13体の死体が転がった。
「我々は先ほど、この町に来たのだが」
そう言った時次郎は、こう言葉を続ける。
「町の人の噂話で、ダンダラ模様の若者が」
処刑旅団に連行されたと、聞きつけ、
「このカルヴァリィの丘に、駆けつけたのだよ」
と、言う。そして鈴花は、
ニコリと笑顔を見せて、はずんだ声を発した。
「総司、これから、また一緒に旅ができるのね」
しかし、はしゃぐ鈴花を三休が諌める。
「これは楽しい旅ではないのだよ」
「それは、わかっているわ、和尚」
この会話を聞きながら、
時次郎は長剣に付着した血を布で拭い、
「第六天魔王の支配は、より悪政になっている」
と、語った。
だから時次郎は実兄である第六天魔王を、
「必ず、倒さねばならないのだ」
そう決意しているようだ。
こうして僕は、三休、鈴花、時次郎と合流して、
「新たなる希望のために『伝説の剣士』として」
長く険しい、
異世界での漂流の旅を続けるのだ。




