第36話 城壁の村 その6
ケンレイとイスカリオの一騎討ちは、
互いに達人の如き剣技を見せていた。
「僕は両者の腕は互角と見たが」
ケンレイはイスカリオの剣を見切ったと言う。
「それならば、朱雀二刀流の紅角剣を受けてみろ」
と、朱色の戦闘服のイスカリオが跳躍して、
「トウゥゥーッ」
宙を、ヒラリと舞うように飛翔する。そして、
ズサササッーン。
空中から二刀の小太刀で襲いかかった。
だが、その業に対して、
「キエェェーィッ」
ケンレイの青龍刀が、電光石火で迎撃する。
ズバンッ!
二人の身体が交錯して、
「将麟剣、彗超の太刀」
と、ケンレイが言った、瞬間、
イスカリオの胴から、
ブジャァーッ。
多量の鮮血が噴き出した。
「み、見事だ」
一言、呟いたイスカリオが、バタリと倒れる。
しかし、その時、矢が飛んだ。
シュッ、シュシュッ、シュッ。
6人編成の弓兵隊が、
ケンレイの左脚と右肩を射抜く。
「ぐあっ」
「大丈夫か、ケンレイさん」
僕は咄嗟に駆け出した。
「お前ら、卑怯だぞ!」
と、怒鳴りながら、弓兵隊に突っ込む。
ズバッ、ズバンッ。
二人ほど斬ったところで、
「う、うぁッ」
「に、逃げろ」
弓兵は蜘蛛の子を散らすように逃げ惑う。
だが、敵は多勢だ。
「たかが三人だ、一気に叩き殺せ!」
指揮官の号令で、殺戮部隊の約30人が、
一斉に襲いかかってきた。僕は刀を振るい、
ズバンッ、ズザッ、ズバッ。
手当たり次第に敵兵を斬る。
赤いビキニアーマーの少女戦士サキも、
ケンレイを庇いながら、果敢に戦っていた。
それでも殺戮部隊は手強い相手だ。
「このままでは、殺られる」
僕が、そう思った時に、
「うおおおぉぉぉぉーッ!」
雄叫びをあげて、
武装した村人が城門から飛び出してきた。
男性だけてはなく、女性や子供までが、
村人全員、武器を手に取っている。
「サキたちを助けろ!」
村を守るために果敢に戦うサキの姿を見て、
彼らも奮起したのだろう。
「皆で戦って、村を守るんだ!」
村人たちは、
殺戮部隊を相手に勇敢に戦った。
彼らは戦闘のプロではなが、
「自分の手で自分の村を守るんだ!」
という『決死の戦意』が殺戮部隊を圧倒した。
そして、遂に、
「多くの犠牲者がでたけど」
と、サキは、この戦いの後、
戦死者を弔いながら呟いた。
「皆の力で殺戮部隊を退けることができたわ」




