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第35話 城壁の村 その5

挿絵(By みてみん) 


 勇猛果敢にも、真っ先に敵中に飛び込んだのは、

 赤いビキニアーマー姿のサキであった。


「弟の仇!」

「止めろ、サキ、危ないぞ」


 と、僕は制止したのだが、サキは、

 ゴウを殺した巨漢のゴーリアに向かって行く。

 しかし、その初太刀は、


 ガギィン。


 ゴーリアの手甲に跳ね返された。次の瞬間、


「死にたいのか、この小娘がッ!」


 ゴーリアの握る大刀が振り下ろされる。

 だが、その刹那、


 ザシュン。


 血飛沫が跳んで、


「ゔがぁッ」


 悲鳴をあげるゴーリア。

 大刀を握る右手が切断されたのだ。

 ケンレイの旋風の如き青龍刀。さらに、


「キエーィッ」


 気合一閃。青龍刀を水平に薙ぐ、ケンレイ。


 ズバァーン。


 ゴーリアの腹が切り裂かれ、


 ブジャアァーッ、


 大量の血と内臓が飛び出す。


「うわが、死にたくねえぇ」


 ゴーリアは必死に、飛び出た内臓を、

 腹に押し込もうとしたが、ケンレイは、


「お前は確実に殺す」


 と、冷酷に宣言して、


「キエェェーィッ!」


 ゴーリアの首を狙い、


 ズバァンッ!


 一刀でね落とした。

 そして、ケンレイは敵の群れを睨みつけ、


「さっきも言ったが、テメェらは皆殺しだ!」


 と、凄んでみせる。だが、ここで、


「なかなか面白い奴だな」


 そう言いながら、

 朱色の戦闘服を身に着けた男が出てきた。


「俺は殺戮部隊の『戦いの星』と呼ばれている」

「次に殺されたいのはテメェか?」

「一対一の対決を所望したいのだが」


 男は左右の腰に吊るした二刀の小太刀を抜く。


朱雀すざく二刀流のイスカリオだ」

「俺は将麟剣のケンレイ。受けて立とう」


 両者は対峙して、


「誰も手を出すなよ」


 と、イスカリオは殺戮部隊の仲間を制止する。


「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」


 しばらく、沈黙の睨み合っが続いた後、


「キエーィッ」


 先に動いたのはケンレイだった。


 グオオーン。


 鋭い斬撃がイスカリオを襲うが、


 ガギィン。


 左の小太刀で受け止める、イスカリオ。

 次の瞬間、


「トオウーッ」


 右の小太刀がケンレイの脇腹を狙った。

 だが、ケンレイは逃げずに間合いを詰め、


 ドンッ。


 体を密着させて、肩でイスカリオを押し返す。


 スパッ、


 僅かに脇腹を切られたケンレイだが、浅手だ。

 その直後、二人は、互いに後方に跳び、


「なかなか、やるな、ケンレイとやら」

「お前もな、だが、その剣は見切った」


 と、ケンレイは不敵な笑みを浮かべた。

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