第34話 城壁の村 その4
赤いビキニアーマー姿のサキは、
巨漢のゴーリアに捕まり、人質にとなった。
その時、僕は、
「やめろ、彼女を放せ、卑怯だぞ!」
と、怒鳴り声をあげる。だが、ゴーリアは、
「卑怯は俺たち『殺戮部隊』の戦術だ」
そう言って、せせら笑いながら、
武装した村人に向かって、こう命じた。
「お前ら、武器を捨てろ」
それに対して、ケンレイは、
ゴーリアを睨みつけて言葉を吐く。
「このクズ野郎が、正面から、かかって来い」
「早く、捨てろよ。姉ちゃんの手足を切るぞ」
この状況に、村人たちは武器を捨て、
僕も腰の刀を捨てるしかなかった。
ケンレイも諦めたのか、
「これで、いいのか。彼女を解放しろ」
と、青龍刀を投げ捨てる。
だが、それでもゴーリアは、さらに、
「次は、お前たち、城壁の前に整列しろ」
そう言って数名の村人を選び、横一列に並ばせ、
その前方に、六名編成の弓兵隊を配置した。
「ヘッ、ヘッヘへェ、丁度いい的だな」
「やめて下さい。抵抗はしませんから」
「うるさい、お前らは黙って立ってろ」
「お願いです。命だけは助けて下さい」
的にされた村人は、必死に命乞いをしたが、
ゴーリアは無情にも、
「弓兵隊、放てッ!」
と、号令を発して、弓兵隊は一斉に矢を放つ。
シュ、シュシュシュッ、シュン。
そして、矢で射られた村人は、
「うあっ」
「あがっ」
「うぎゃ」
次々に倒れて、命を落とした。
この地獄絵図のような状況に、残った村人も、
「う、うあーっ、逃げろ」
我先にと城壁の中へと逃げ込んで城門を閉じる。
それを見たケンレイは、
「こいつらも、なんて奴らなんだ」
と、声を漏らして、ぼやいた。
そのケンレイに、背の高いの敵兵が近づき、
投げ捨てた青龍刀を拾いながら、
「お前の刀で、お前の頭を叩き割ってやるぜ」
そう言って、青龍刀を、
高々と振り上げただが、次の瞬間、
「キエーィッ」
ケンレイは気合を発し、
バシィン。
敵兵を蹴り飛ばす。しかし、
「おいおい、止めろ、こいつの腕を切り落とすぞ」
サキを人質にとったゴーリアが脅した。
だが、その刹那、
「百歩神拳ッ!」
ケンレイの拳の衝撃波が、
離れた距離のゴーリアを、
ドカアァン。
勢いよく、吹き飛ばす。
この一瞬のチャンスを、僕は逃さない。
「今だ」
一気に走り、敵中のサキを救出した。
「もう大丈夫だ」
「ありがとう」
「よくやった、沖田殿」
と、ケンレイはニヤリと笑い、
「俺の刀を返せよ」
倒れた敵兵から、青龍刀を奪い返す。
僕も刀を拾い上げ、鞘から抜いた。
しかし、約30人の殺戮部隊に取り囲まれる。
「たった二人で、どうするつもりだ?」
そう言ったゴーリアに対して、
赤いビキニアーマーの少女戦士サキも、
「二人じゃないわ。三人よ」
村人が捨てた剣を拾って、構えた。
それでも、敵は約10倍。圧倒的に多勢に無勢だ。




