第33話 城壁の村 その3
僕は城壁の外へ飛び出した。
そこで見たものは、
返り血で赤黒く汚れた旗を靡かせる、
殺戮部隊だ。
「ざっと見、その数は30人はいる」
さらに、敵の巨漢の兵に捕らえられたゴウの姿。
「やめてッ、弟を離して」
赤いビキニアーマーの少女戦士サキが、
悲痛な声をあげた。
その様子を見ていた用心棒のケンレイは、
「そんな少年は放してやれよ」
と、巨漢に訴えかけたが、
「このガキは、この俺、ゴーリア様に槍を向けた」
そう言いながら、
巨漢のゴーリアはゴウの首を絞め上げる。
「ぐっ、苦し、い」
「こんな生意気なクソガキはな」
次の瞬間、ゴーリアは躊躇なく大刀で、
バサリ、
ゴウの右腕を斬り落とした。
血飛沫を噴き上げ、悲鳴をあげる、ゴウ。
「あがぁぁーッ」
それを見た僕は、
「なんて残虐な奴だ!」
と、思わず声を上げてしまう。姉のサキも、
「やめて、お願い!」
叫び声をあげた。
しかし、ゴーリアは嘲るように、
「もう一丁、いくか」
ニヤニヤと笑いながら、
ズバンッ。
今度は左足を薙ぎ払う。
「うああぁぁぁーッ!」
ゴウは片足を失い、地面を転がって泣き叫んだ。
切断された傷口からは、多量の血が流れ、
辺り一面は血の海となる。
「うぎゃあぁ、痛い、姉ちゃん、助けてぇ」
「やめて、弟を、これ以上、傷つけないで」
「ギャーギャーと、うるさいクソガキだな」
と、ゴーリアが吐き捨てるように言い、
ゴウの頭を、
グシャリ。
無慈悲に踏み潰して、虫けらのように殺害した。
「ゴ、ゴウーゥッ!」
泣き崩れるサキ。
村人たちはゴーリアの残虐性を目の当たりにて、
「な、なんて恐ろしい、奴だ」
武器を手にしながらも、震え上がり、
戦意を喪失したようだ。
その時、ケンレイが青龍刀を片手に、
前へと歩み出た。
「テメェらは俺が殺す。皆殺しだ」
「あっ、何だと、この馬鹿野郎が」
と、血の気の多そうな敵兵が、槍を突きだして、
ケンレイに矛先を突きつける、だが、次の瞬間、
「キエーィッ!」
気合一閃。
ケンレイの青龍刀が稲妻のように走った。
スパァーンッ。
その太刀筋は、一刀で敵兵を両断する。
ブシャァーッ。
血を噴き上げて、悲鳴をあげる間もなく、
絶命する敵兵。さらに、ケンレイは、
「キエエェェェーィッ」
舞のような剣技で、
スパッ、スパスパ、スパアーン。
次々と敵兵を斬り倒していく。血飛沫が飛び、
「あぎゃぁ!」
「いぎゃぁ!」
「うぎゃぁ!」
「えぎゃぁ!」
「おぎゃぁ!」
断末魔の叫びと共に、死体が積み重なった。
ケンレイの凄まじい業を見て、僕は、
「ま、まるで鬼神のようだ」
と、その強さに戦慄を覚える。
だが敵も、第六天魔王の殺戮部隊だ。
「そこまでだ、優男」
と、巨漢のゴーリアがサキを人質にとった。




