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第32話 城壁の村 その2

挿絵(By みてみん) 


 この城壁の村には、

 50人ほどの村人が暮らしていた。

 遺跡の城壁に守られた小さな村である。

 赤いビキニアーマーの少女戦士サキは、


「私たちは第六天魔王と戦い抜く覚悟です」


 と、気丈な表情を見せて言う。だが、僕は、

 その気丈さに感心しながらも疑問に思った。


「あなたのような、若い女性が戦わなくても」

「この状況では男性も女性も関係ありません」


 村のリーダーのサキはそう言って、

 さらに、こう言葉を続ける。


「村の生き残りは、少ないのです」


 確かに村には、けが人も多く、戦える者は、

 女性や年少者でも戦わなくてはならない状況だ。


「それでも先日、用心棒を一人、雇いました」


 その用心棒とは、

 中国武術の使い手の男で、青龍刀を携えていた。

 僕と対面した用心棒は、


「ほう、貴殿が噂の伝説の剣士ですか?」


 そう言ってから一礼して、


「私の名はケンレイ」


 と、名乗った。


将麟剣しょうりんけんを使います」

「僕は沖田総司。天然理心流です」

「では、沖田殿、一手、お手合わせ願いたい」


 と、彼は木刀による試合を、

 申し込んできたので、僕が挑戦を受けると、

 村の男たちが、


「何か、面白いことが始まるぞ」

「伝説の剣士と用心棒の試合だ」


 などと口々に言いながら、集まってくる。

 その人集りの輪の中心で、

 僕とケンレイは互いに木刀を構え、対峙した。


「・・・・・・・・」


 しばらくの沈黙の後、ケンレイが、


「キエーィッ」


 奇声のような気合を発して、


 ブオォン。


 凄まじい斬撃を放った。

 僕は紙一重でかわし、間髪入れずに、


「イヤアーッ」


 胴を打ったが、ケンレイは身を翻して逃れる。

 その後、互いに、


 カン、カコ、カン、カコーンッ、


 激しく木刀を打ち合わせた。そして、

 ケンレイは数手打ち合うと、間合いを外して、


「さすがは伝説の剣士ですな」

「今日のところは引き分けで、どうですか?」

「それで、いいでしょう」


 と、両者は木刀を下げる。だが、その時だ。


「大変だ、殺戮部隊が攻めてきたぞ!」


 城門の衛兵が大声を発した。村の男たちが、


「敵襲だ。皆、武器を取れ!」


 急いで城門へと駆け出す。しかし、そこでは、

 殺戮部隊が『血塗られた旗』を靡かせて、

 ズラリと居並んでいた。さらに、


「このクソガキがッ!」


 サキの弟のゴウを、大柄の敵兵が捕らえ、

 喉元に大刀の刃を押し付けていたのだ。

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