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『扇風機を持って異世界転移!? もふもふ達と共に扇風機を操り俺はこの世界を生き延びる!!  作者: ありぽん


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64話 どうしてこうなった?

『並んで並んで!!』


『1列だよ!! 小さい子は2匹ずつね!!』


『割り込みするなよ!!』


『い、今来た魔獣はこっちだよ』


『終わった魔獣はこっちへ』


『お菓子はこっちなの!!』


『ジュースも!!』


『うむ、みんなサラサラ、ふわふわ』


『リョウ。早く早く、まだまだみんな待ってるんだから』


「分かってるって。はぁ、どうしてこんな事になったんだか。まったく魔獣の間で、ペラペラ話して」


 俺の前には今、魔獣の大行列ができている。その数、ざっと50匹。何でそんな数の魔獣が、俺の前に並んでいるか? それは3日前、プルルの友達が遊びにきた事が始まりだった。


 シルフとは違い、別の場所に住んでいたフルールとプルルとコロンだったが。ここで暮らすようになってから、すぐにそれぞれ友達がたくさんできて。その友達が順番に遊びに来る事になっていたんだ。


 それで約束通り、じゃんけんで1番なったプルルの友達が遊びにきた。と、ここまでは問題はなかった。クッキーもちゃんと人数分用意していたし、ジュースの用意も完璧で。


 それに先に教えてもらっていた、遊びに来る予定だった友達魔獣以外の、他の友達魔獣も増える事なく。みんなの友達魔獣が遊びにくるになって初めて、何事もなく時間が過ぎていた。


 しかも事件は、友達魔獣達が帰ってから起きた。午前中から遊びに来ていたみんな。午前は普通にそれぞれが遊んで、お昼ご飯の後は扇風機で遊び。おやつの時間になると、みんなゆっくり話しをしながら、ハッチの話しになったんだ。

 

 情報交換だな。どこにハッチ達の巣あるとか、向こうのハッチは、他のハッチよりも凶暴だから行かない方が良いとか。


 そして情報交換の後は、みんなの美容の話しになった。シルフ達だけでなく、みんな普通に話していたから。本当にこの世界の魔獣達は、美容に対して意識が高いんだろう。


 そんな美容の話しで、盛り上がるみんなだったけど。美容となれば、シルフ達が黙っているはずもなく。もちろん扇風機のトリミング魔法の話しになり。


 シルフ達から扇風機のトリミングについて、しっかり詳しく話しを聞いた友達魔獣達。そうなれば、みんなトリミング魔法をやってみたいと言ってくるわけで。おやつの後の時間は、トリミングの時間になってしまった。


 そうして綺麗に、サラサラ、ふわふわになった友達魔獣。相変わらずのゴミの多さに、初めてのみんなは、やはり驚いていたよ。自分達の体にはこれだけのゴミが? って。


 だけど今までにない仕上がりに、最後はみんなニコニコと巣に帰って行った。行ったんだけど……。


 そのトリミング魔法を受けた魔獣達が、これから遊びにくる予定の友達魔獣達に、こんな魔法をかけてもらったと話しまくり。

 ついでにシルフ達も念話で、こんなのもできるようになったとよと、ペラペラと話したため、余計そこから話しが広まってしまい。


 昨日、ニワットとミルモーにご飯をあげるため、朝早く起きて家の外に出てみれば。ドキッ!! としたよ。何だったら、ワイバーンの襲撃よりも驚いたかもしれない。


 結界の周りに、扇風機トリミングの話しを聞いた魔獣達が、自分もトリミングして欲しいと、集まってきていたんだ。しかも何故かみんな結界にへばりついて、こちらの様子を伺っていてさ。

 その数は軽く100を超えていただろう。いやぁ、本当にビックリしたよ。ホラーかよって。


 そしてこの時は、まだみんなの間で、トリミング魔法の事が広まっていると知らなかったから、慌ててシルフ達を起こし。どうしてここにいるのか聞いてもらったら、原因が扇風機トリミングと分かったというわけだ。


 その日はみんなに話しをして、何とか帰ってもらえたけどさ。でも約束をしてから帰らせたよ。

 せっかく来てくれたのに、今日はできないと言われ、それはそれは、とても悲しそうな顔をしていたからさ。だから人数を分け、別々の日に来てくれるよう、約束してから帰ってもらったんだ。


 そしてその後は、これから来ようとしている、友達魔獣達がいるかもしれないと。いついつのなん時ごろなら大丈夫か、後で必ず伝えてもらうから、今は来ないでくほしい。という事を、シルフ達の念話で伝えてもらった。


 ここまでしても、まだ終わりじゃない。念話で伝えてもらったが、一応どれくらいの魔獣達が来ようとしているのかも、調べてきてくれ、と頼み。

 調べ終わり、帰ってきたらシルフ達に、どれくらいの頭数がいるか聞けば……。うん、それについては言いたくない。


 父さんが、あんまりペラペラ話すな、ってシルフ達を怒ったよ。あまりにも大変な事になってたから。


 こうして俺の扇風機トリミングには、山ほどの予約が入り、最初のお客さん達が今、俺の前に並んでいるところだ。


 今日、何匹トリミングしたことか。 あれ? 俺はやっぱり異世界の魔獣専門トリマーだったか? なんてちょっと現実逃避したくなるほどの頭数が来ている。


「よし、終わりだ。次の子どうぞ」


『あ、あの!!』


 トリミングが終わった、たぬき似の魔獣の子が、俺に話しかけてきた。


『ありがとうございます!! 綺麗になりました!! 今日、大好きな子に告白しようと思ってたんです。これで自信を持って告白できます!!』


「お、そうなのか? よし、頑張るんだぞ!!」


『は、はい!!』


 トリミングをした子達が、必ず俺にお礼を言ってくれる。しかもとっても可愛い笑顔で。それを見て、現実逃避していた俺の心が戻ってくる。


 まぁ、俺自身が動いてるわけじゃないからな。やっているのは扇風機だ。俺の魔力が多くて良かったよ。たくさんの魔獣を綺麗にしてあげられる。そして可愛いお礼を言ってもらえるんだから。


「次の子どうぞ!」


『よ、よろしくお願いします!!』


「緊張しなくて大丈夫だからな。すぐに終わるから、そのまま動かないでくれ」


『は、はい!!』


「エアダスター!!」


 と、魔法を発動した時だった。


『あ、遅れていた子達が到着したよ!!』


『こっちだ!!』


『並んで並んで!!』


 ……せっかく心が落ち着いたのに、どうして増えるんだよ。そういえば15匹遅れてるって、言ってたっけ? はあぁぁぁ。

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