60話 扇風機トリミング能力のヒント?
『何の話ししてるの? あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛、あ? ああ~」
シルフは何をやってるんだ? フィノとボルクスの所にシルフ達が来て、そのまま扇風機に『あ~』と言ったシルフ。扇風機はフィノとボルクス設定になっていたため、強にしてあったらか。『あ~』と言ったまま、向こうの方へ飛ばされて行った。
『あ、お話し終わり?』
『おう、終わったぜ!!』
『り、リョウ、僕が1番』
「ああ、プルルが1番最初に友達を呼ぶんだな」
『次が私で、その後がフルール。最後がシルフです』
『残念、負けちゃったよ』
風に飛ばされたシルフが、戻ってきて残念そうに言う。
『でも、あれ本当に良いね。じゃんけん。決める事がある時、あれやるとすぐに決められるよ』
『遊ぶ時にも良いかもな。誰が何をして遊ぶか決める時さ』
『う、うん。お話し短くて済む』
『そうですね』
短く済むって、それでも話し合いに時間かけすぎだからな? まぁ、俺が教えたじゃんけんを、気に入ってくれて良かったけど。
「それで、何の話ししてたの?」
すぐにフィノ達が、今話していたハッチもハーチーについて話す。と、その話しの最中に、特訓が終わったらしいミルフィーとトールも戻ってきて。また初めから、同じ話しをするっていう。
ただ話しを聞いたみんなは、ああ、ハーチーね。と、やはり皆、ハーチーを食べるだけでなく、お肌や毛の手入れに使っていたようだ。そこから話が盛り上がる盛り上がる。
あの花のハーチーは、あんまり毛に良くない。逆にゴワゴワになるよとか、こっちの地域にあの花がなかなか咲いていなくて、その花のハーチーを探すのはなかなか大変だけど、その分羽に塗ると、最高の羽になるんだよね。
クチバシに塗った後は、ツルンと光って、ツルツルになって、すべずべになる。あ、あの花のハーチーは、皮膚に塗ってもあんまり変化ないよ。
なんて、美容の話しで盛り上がり、俺だけがついていけない状態になった。
『リョウはどう? 何かやってる?』
「お、俺は、ここに来たばかりだからさ。それに、俺の記憶がないのは知ってるだろう? だからハーチーを使っていたかは分からないな」
と、とりあえず誤魔化す。美容についての知識は普通だと思うけど。今は若いから、ただ石鹸で洗えば良いだろうなんて、美容に詳しいみんなには言えない。
『そっか』
『でも、人間も獣人も、他の種族もさ。使ってるのは魔獣が1番多いんじゃないか?』
『そうういえば、そうかもしれませんね』
『と、採るの大変だからかも。ま、魔獣は自分の分と、家族分を採る。採るの上手。で、でも人間は採るのちょっと下手。だ、だからそんなに採れないのかも』
『それに人間は、採れると思えば、必要以上に多く採ろうとするもんね。前に聞いた事あったかも、取る量を決めてるとか何とか』
『じゃあきっとそれで、みんな採りに来ないんですよ』
『でもさ、リョウは自分の分は自分で採れるし、必要以上には採らないから。今度採りに行ったら、髪の毛につけたり、皮膚に塗ってみると良いよ』
『あ、でも、付けたり塗った後は、ちゃんと洗わないとダメだぞ。ベタベタのままだし、ハーチーに虫が寄ってくるかなら!』
「わ、分かった。今度やってみるな」
俺はとりあえず頷いておく。まさかここまでみんな、普通にやっている事だったとは。異世界の魔獣、恐るべし。
『あ、ねぇねぇ、僕、思ったなの』
『ん? なぁに?』
『センプウキの風を浴びた時も、ハーチーよりなぜんぜんだけど、毛がサラサラ、ふわふわな気がするなの』
「え?」
『『『え?』』』
みんなが一斉にボルクスを見た。ボルクス、今なんて言った? 扇風機の風を浴びたら。毛がサラサラ、ふわふわって言ったよな?
『ボルクス、どういうことだ?』
『あのね、ボル君、少し前にハーチー付けて、その後付けてなかったなの。それで毛がパサパサしてたなの。でも今は少しサラサラ、ふわふわなの。それで気づいたなの。少し良い毛になったの、センプウキの風をあびてからだったってなの!』
『えー!! 本当!?』
『そんなだったか?』
えー、本当かよ!? ってシルフと同じ反応をしてしまった俺。が、今はそんなことを気にしている場合じゃない。詳しく聞かないと。毛がサラサラ、ふわふわになるって。これ、あの能力と関係あるんじゃないか!? そう、扇風機の能力、トリミングだ!!
『本当に毛がサラサラ、ふわふわになるか。今、僕風を浴びたばっかりだけど、違い分からないよ』
『あ、でも、いつも風浴びてるから、あんまり分からないかもなの。毎日毎日、扇風機で遊ぶでしょう? なの。それだからいつもサラサラ、ふわふわなの』
『確かにそうですね。ボルクスの言う通り、本当にセンプウキの風をあびて、毛がサラサラ、ふわふわになるなら。毎日風をあびている私達の羽や毛は、サラサラ、ふわふわなはず』
『でもさぁ、ボルクスはセンプウキの風をあびて、すぐに気づいたでしょう? ボルクスが気づいたなら、僕達も気付きそうじゃない?』
『そういうのに、気付きやすいとか?』
『僕だって細かい事には気づくよ』
みんなが毛について話す中、ミルフィーが俺の所へやってくる。
『ねぇ、リョウパパ。なんでみんな、サラサラ、ふわふわのおはなし?』
「ああ。あのな、扇風機の風をあびたら、ボルクスの毛が、とっても気持ちよくなったんだって。サラサラ、ふわふわって。でもみんな、その事が分からなくて。本当にサラサラ、ふわふわふになるの? ってお話ししてるんだよ」
『毛がサラサラ、ふわふわ?』
「そうだよ」
『それ、いつもでしょう? なんでいまおはなし?』
「え?」
『『『え?』』』
と、今度はミルフィーの言葉に、全員がミルフィーを見た。




