45話 突然のワイバーンの襲来
「決められた通りに避難しろ!!」
「上級、中級の冒険者は、こっちに集まれ!! 残りの冒険者は、避難誘導にあたれ!!」
「私は向こうへ行くは!!」
「リリース、向こうの指揮はお前に任せる!!」
「ええ!! あなた達も気をつけて! リョウ、あなたもね。カーライルの側にいれば心配はないでしょうけど。もしも別行動を取ることがあれば、気をつけるのよ」
「はい!」
「それじゃあ、行くわ!!」
「カーライル、お前は広場に行ってくれ!!」
「前線じゃなくて良いのか!?」
「今集まってる人数を考えると、お前には広場に行ってもらった方が良いだろう。良かったよ、これだけ冒険者が揃っている時は、そうそうないからな」
「分かった」
「それとお前は、全部準備してきていると思うが、一応これを持っていけ。必要になるかもしれんポーションが全て揃ってる。何があるか分からんからな。ああ、リョウのカバンには、もう入っているぞ」
「必要にならない方が良いんだがな」
「ま、それは向こうさん次第だな。広場は任せるぞ」
「ああ! リョウ、行くぞ!!」
父さんと一緒に冒険者ギルドを出る。その時にチラッとギルドの中を見れば、リカードさんが上級、中級の冒険者達に話しを始めていた。
そして外へ出れば、ほとんどの住民が少しの荷物を持ち、子供達の手を引いて、同じ方向へ向かって急いで進んでいた。
慌てているためか、時々転ぶ人や、あちこちから悲鳴や、叫び声も聞こえ。冒険者達が懸命に、そんな住民を誘導している。どうしてこんな騒ぎになっているか、それは少し前に戻る。
何の問題もなく、街へ入る事ができた俺達は。予定していた通り、最初にフルール達も証を作ってもらいに行った。
そして今まで父さんに借りていたメダルを返し、新たに俺と自分の名の入ったプレートを見て、とても喜んでくれたよ。これで完璧だって。
それから次に、予定していた冒険者ギルドへ行った俺達。最初にリカードさんが俺に言ったこと。それは。
「そんなに日は過ぎていないが、ずいぶん大所帯になったな」
だった。まぁ、最初はミルフィーだけだったしな。約1ヶ月しか過ぎていないのに、これだけ人数が増えていれば、そうも言いたくなるだろう。
「ま、何だ。それだけ人数が増えたって事は、荷物も増えるって事だろう? ちょうど良かった。俺からお前に、渡したいもんがあるんだ」
そう言ってリカードさんが出してきたのは、小さめの肩掛けカバンだった。
「カーライルとお前が家族になっただろ。俺からそれのお祝いだ」
「リカード、すまんな、こんな良い物」
「なに、それだけめでたい事だからな」
「リョウ、これはマジックバックといって、大きさに似合わず、たくさんの物をしまえる、とても便利なアイテムだ。作るのが大変で、予約してもなかなか買えない、とても素晴らしい物なんだぞ。そうだな試しに、そのクッションでも入れてみろ。バックの上に持っていけば、バッグが勝手に吸い込んでくれる」
言われた通りに、クッションをカバンの上に持っていった俺。するとすぐにクッションは、シュンッ!! と。カバンに吸い込まれるように消えていった。
そして出す時はカバンに手を突っ込み、取り出したいものを思い浮かべ。手に何かを感じたら。それを掴んで取り出すだけ。
とういうように、これぞライトノベル!! という感じのマジックバッグをもらった。
「ありがとうございます!!」
「5日分の食料と、他に何かあった時用のポーションをいくらか。他にもいろいろと入れることができるはずだから。自分で大事だと思うものは、それに入れて常に身につけておけ」
「はい!!」
と、こんな素晴らしい、ピレゼントを貰った俺。その後は父さんとリカードさんはワイバーンについて話しを始め、俺もその話しを聞き。そんな俺の横で、マジックバッグに興味深々で、俺のカバンに入っていたものを、出し入れして遊んでいたチビもふ達。
気づけばかなり時間が経っていて、遅めのお昼を食べてから、話しの続きをしようということになり。ギルドマスター室でお昼を食べ、食休みをした後。話しは再開されたんだけど。
再開されてすぐだった。外でパンッ!! パンッ!! という音がしたと思ったら、今度はカンカンカンッと、何かを叩いている音が聞こえて。それを聞いた途端、父さんとリカードさんがガタッ!! と立ち上がって窓の方を見た。
何事かと思いながら、自分も窓の方を見ようとしたら。タイラーもトールもシルフ達も、とても鋭い目つきをしている事に気づいた。そしていつもは、ぽやっとしているミルフィーまでもが、俺に何かおかしいと訴えてきたんだ。
と、廊下をバタバタ走る音が聞こえたかと思ったら、
「マスター!! 大変です!! ワイバーンの群れが現れました!!」
ドアのノックと同時くらいに、女性の慌てた声で知らせが届き。
そう、まさかのワイバーンの群れが、街から見える範囲にー現れ。それでさっきの破裂音と、何かを叩く音だった。
あれは緊急事態を知らせるもので、あの音が聞こえた時は、騎士はすぐに自分の持ち場へつき、冒険者はランクを問わず、冒険者ギルドへ集合することになっていると。
また、住民だけど。この街には至る所に、地下空間が作られていて。住民は自分が割り振られた地下空間へ、避難するようになっている。
ただ、突然の避難の時に、割り振られた地下空間の近くに、居るとは限らないので。誰でも入って良い地下空間も用意してあると。
急いで1階へ下りた俺達。そこにはリリースさんも来ていて。そうして俺達は今、広場に向かっているところだ。




