38話 増えた扇風機攻撃、怒られる俺達
「全員そこに座れ」
「はい」
『きちんとお前達も座るんだ。いつもみたいに騒ぐのはなしだ』
『は~い』
『は~いではない、はい、だ』
『『『『はい』』』』
「ミルフィーも座るんだよ」
『リョウパパ、カーライルパパおこってる?』
「う~ん、そうだな」
俺の横にミルフィーを座らせ、そんな俺達を挟むように、シルフ達が座った。俺は正座をしているぞ。
「これは一体どういう事だ?」
『俺達をボロボロのドロドロにして、丸太が燃えたのはどうしてだ?』
「初めから全部説明するんだ」
今、俺達の前に立って怒り心頭なのは、夕方少し前に森の見回りから帰ってきて、その時は普通の姿だったのに。今はボロボロのドロドロ姿の父さんとタイラーだ。
そしてボロボロのドロドロなのは父さん達だけじゃない。俺達も俺達の周辺も、敷地内の至る所がボロボロのドロドロになっている。
一体どうして、こんな状況になっているのか。それは少し前に遡る。
シルフとの攻撃魔法が成功し、フルール、プルル、コロンが、自分達の攻撃魔法も考えてくれと詰め寄られ、結局断れなかった俺は。15分くらいだけ休憩させてもらった後すぐに、みんなの魔法を考え始めた。
ただ考えるのは、シルフの時よりも少しだけ、本当に少しだけ楽だった気がする。こう、考えるヒントがそれぞれにできたって感じかな。
シルフの魔法を考えた時、俺はライトノベルの風の魔法について考えただろう? そのおかげで新扇風機魔法『ウインドカッター』が誕生して。
だから順番に、同じように考えてみようと思ったんだ。防御魔法と同じ順番で、フルール、プルル、コロンの順にな。
そうしてそれぞれの魔法を考えてみれば。シルフの時よりも少し早く、頭に魔法のイメージと呪文が浮かんできた。
まずフルールとの魔法は『ブレイズカッター』だ。ステータスの説明だと、羽に炎を纏わせて、炎の刃のようにして切り付けるらしい。
扇風機の羽は炎に焼かれる事なく、燃える羽となって飛び、焦がしながら丸太を完璧に真っ2つに割ると、扇風機本体へ戻ってきた。
次にプルルだ。プルルとの魔法は『ウォーターカッター』だ。説明によると、羽に水を纏わせ、水の刃のようにして切り付けるらしい。
羽に纏った水はとても鋭く、周りには小さな水の玉がいっぱい飛んでおり。この水の玉が、プルルの可愛い攻撃が良いなぁ、にあてはまったらしく。プルルは可愛いと喜んでいた。もちろん丸太を完璧に割ったぞ。
そして最後コロンだ。コロンとの魔法は『ロックカッター』で。コロンだけ得意の土ではなく、他に得意な石魔法になってしまったが。説明では、羽に軽い石を纏わせ、とても硬く鋭く薄い刃を作り切り付ける、となっていて。
周りに石を飛ばしながら切り付け。もちろんコロンの魔法も、しっかりと丸太を割ったぞ。
と、このように。まさかの3つの魔法を成功させた俺達。今回、何回目か分からない大騒ぎになった。
そしてようやく落ち着けば。感覚を忘れないうちに、何回か魔法をやってみようということになり。そこから訓練が始まったんだけど。そう、訓練までは良かったんだ。が、その結果が悪かった。
『ブレイズカッター』をやっている時に、狙いが丸太からずれちゃって、狙っていなかった丸太の方へ攻撃が行ってしまい。しかもどうやら少し力が多く入ったようで、まさかの丸太に火が付くっていう。
だから俺達は、急いで火を消そうとした。ここまでは慌てていたけれど、シルフの、僕達には水の精霊王、プルルがいるんだよ。プルルの水で消せばすぐだよ、と言ったことで、どこか安心してしまったんだ。
1番慌てていたプルル。あっちにそっちに、関係ない場所にまで水をかけまくり。それなのに消して欲しい火には水をかけず。そのせいで火は消えず、周りは水で泥だらけなのに。
それを見ていたコロンが、自分が土で火を消すと言い始めて。じゃあ僕は風で土を乾かすよ。なんて、まぁ、火を消すときに、やっちゃいけないことをシルフがしようとし。
直接じゃなくても、火の近くで風を吹かせたら、余計火が大きくなるだろう!! と、シルフを止める俺。
俺と自分の魔法で火をつけてしまったと、オロオロその辺を行ったり来たりしているフルール。何故かそんなフルールの後ろにくっ付いて、フラフラするミルフィー。そのミルフィー達を止めようとするトール。
火を消そうと、あっとこっちに水を撒くプルルに、完璧な狙いで、火に土をまき、火を消していくコロン。
が、ここで最後の大きな事件が起きた。オロオロしていたフルールが、やっぱり俺も何かする!! と。その時フルールは、オロオロ、フラフラしていて、丸太の方とは反対を向いていたから、振り返りながら止まったんだ。
そのせいで、後ろにくっ付いてい動いていたミルフィーと、止めようとしていたトールが。急なフルールの止まりに対応できず、思い切りフルールに突っ込んで。そのまま俺の足元へ。
俺は足元をすくわれ、転んでしまい。その拍子にシルフに思い切りぶつかり。シルフは風を吹かせようとしていたところに、俺がぶつかったから。ぶつかった拍子に、強い風を吹かせてしまい。
その風が、もう火はコロンが消してくれたのに、まだ慌てて水を撒くプルルと、火を完璧に消したコロンの方へ飛んで行って。強い風のせいで、向こうへ飛ばされる水と泥。と、そんな水と泥が飛んだ先には……。
ちょうど森の見回りから帰ってきた、父さんとタイラーが。うん、まぁ、思い切り、少しのズレもなく完璧に、父さんとタイラーにひっかかって。そのせいで父さんとタイラーは、ボロボロのドロドロになってしまい。
そして今の状況だ。全ての話しをし終わると、父さんとタイラーが。
「どうしてこうなったかは分かった。魔法が成功したこともな。が、それの話しをする前に、お前達言うことは?」
「全員言うことがあるだろう?」
「ごめんなさい」
『うむ、ごめんなさい』
『ごめんなさい。たぶんごめなさい。リョウパパあってる?』
『『『『ごめんなさい』』』』
攻撃魔法ができるようになったのは、とても嬉しかったけど、最悪な1日にもなってしまった。




