37話 新しい扇風機攻撃魔法『ウインドカッター』
「やるぞ!!」
『うん!!』
「よし、シルフ!! 風を羽に纏わせてくれ!!」
『ほい!!』
ほいって、なんか力の抜ける返事だな。まぁ、今は良いか。こっちに集中しないと。
返事をしたシルフ。するとすぐにシルフの体全体が光って、その後扇風機の羽全体が、良く見ないと分からないけれど、とてもとても薄い黄緑色の何かに包まれた。
それから今までは、ブ~ンと聞こえていた羽の回転音が、シュルシュルと。こう、力が羽に集まって鋭くなった? 感じの音に変わったんだ。
『よし。バッチリだよ!!』
「俺は魔力の流れは見えないんだが、今は微かに黄緑色の何かが、羽の周りに見える。あれがシルフの風か?」
『うん、人にはそう見えるかも。僕もリョウの話してくれた事を考えて、風でスパっと切る感じを思い浮かべて、回ってる羽に合わせるように、風を纏わせたよ!!』
「ありがとうシルフ。じゃあ、呪文を唱えるぞ!!」
『うん!!』
俺は大きく息を吸い込んだ後、大きな声で呪文を唱えた。
「ウインドカッター!!」
唱えてすぐだった。さっきの『カットブーメラン』のように、勝手にガードが開いたかと思うと。羽も勝手に外れ、俺の『カットブーメラン』よりも凄い勢いで、丸太の方へ飛んでいき。真横にスパッと簡単に丸太を切ると。
これまたブーメランのように戻ってきて、しっかりと扇風機本体に戻り、ガードも自動で元に戻ると。その後はいつも通りの、強の風を出す扇風機に戻った。
『おおおおおお!! できたよリョウ!! 僕の風とリョウの魔法を合わせた攻撃ができたよ!!』
『シルフ、待ちなさい。ますは確認が先です!! ああ、魔力は良い具合に混ざっていましたよ。センプウキ全体に2人の交わった魔力が流れて、その後は羽の部分にはリョウとシルフの魔力が、周りにシルフに風魔法が、綺麗に纏っていました』
『おいコロン、話しは後でで良いから、先に見に行こうぜ』
『フルール、これも大切な事ですよ』
『先行くぞ!』
『ま、待って!!』
『はぁ、まったく』
『うむ、リョウとシルフ、新技凄い!!』
『リョウパパ、スパッて!! スパッて!!』
興奮しているみんなと丸太まで移動。すると丸太は切られた段面がツルツルな程、スパッと綺麗に切断されていた。
『おおおおおお!! やっぱり成功だよ!! リョウやったね!! 新しい魔法おめでとう!!』
『『『『おめでとう!!』』』』
『リョウパパすごい!! リョウパパすごい!!』
「みんなありがとう! それとミルフィー、今の魔法はシルフと一緒の魔法だから、シルフも凄いんだぞ」
『おにいちゃんもいっしょにすごい!! すごい、すごい!!』
『へへへ、ありがとう!! そうだ、リョウ。ステータスの確認!! 2つ魔法が増えてるはずだよ!!』
「そうだな!」
俺はすぐにステータスを確認した。すると『エリアバリア』のときは、後から記載されていた魔法の解説が。今度は初めから記載された状態で、新しい攻撃魔法が2つ表示されていた。
*カットブーメラン(飛んでいって鋭く切りつける)
*ウインドカッター(羽根に風を纏わせ、風の刃のようにして攻撃する)
「しっかり表示されてるぞ!」
『やったぁ!! ふぅー!!』
『凄いな! 一気に2つだぞ!!』
『威力も強くなっていて、さすが2人の攻撃って感じですね』
まさか1日で2つも、新しい攻撃魔法を覚えられるなんて。いろいろ考えてくれたみんなには、本当感謝しかないよ。俺1人だったら、今頃まだ何も思いついていなかっただろうし。俺は扇風機を1度止めて、しっかりとみんなにお礼を言った。
「みんな、ありがとう。今回のこと、みんながいなかったら、今頃俺は、まだ何もできていなかった」
『リョウパパ、ありがとう?』
「ああ、ミルフィーもありがとうだぞ。ミルフィーが言ってくれたことが、最初の攻撃魔法に繋がったんだから」
『ふ~ん? そか!! えへへ、ぼくありがとう。ふふふ』
これは、あの時ぼそっと言った事を忘れてるな。
“ぼくやおにいちゃんたちのはねと、かたちがちがうし、うごきもちがう。センプウキのはねもとんでくれたら、むこうにとんでいって、っておねがいして、こうげきできるのにねぇ”
これがあったから、俺は思いついたのに。まぁ、ミルフィーらしいな。
「みんな、本当にありがとうな」
『みんなで考えるのは当たり前だよ。だって僕達は家族なんだから。ねぇ』
『そうそう、家族だからな!!』
『う、うん!』
『当たり前の事です』
『うむ、ボクも契約していなけど家族。むむ、防御に続いて攻撃もできない可能性。無念』
とても残念そうなトール。どうにかトールと一緒にできる何かを考えないとな。
『だけど良いよなぁ。リョウとシルフの攻撃カッコよかったぞ。なぁなぁ、リョウ。俺のも考えてくれよ。シルフができたなら、俺のもできるはずだからさ』
『あ、ぼ、僕も、やってみたい』
『私もです。シルフだけはダメです』
ずずいと俺の顔の前に飛んできた3匹。
「も、もちろんみんなの分も考えるよ。だけど、ちょっと今日は。『エリアバリア』のことについても、攻撃についても、いろいろ進展しただろう? それにできたばかりの魔法の練習もしなくちゃだし。だからちょっとだけ休……」
『俺の魔法はどんなかなぁ。シルフによりカッコいいのが良いぞ!』
『僕が1番に決まってるでしょう。もう』
『ぼ、僕は可愛いカッコいいの』
『それ、どんなの?』
『私ははやり、技よりもしっかり攻撃できるかが大事ですね』
「……」
これはもしかして、このまま考える流れなのか? 少しだけ休憩やせてくれないかな? 初体験だらけで、頭が少し疲れてるんだけど。……やっぱりダメか?




