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『扇風機を持って異世界転移!? もふもふ達と共に扇風機を操り俺はこの世界を生き延びる!!  作者: ありぽん


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16話 扇風機の能力について考える、と思ったら事件発生?

「さて、今日はトリミングについて考えてみるか」


 俺達がいるのは畑の横。何もない場所で、よく何か作業する時に使う場所だ。家や畑、魔獣小屋、それから生活を送る上で必要な空間には、全体を囲むように、タイラーが結界を張っていて。魔獣を心配せずに過ごす事ができる。


 かなり広く、地球の平均的な戸建の家が、10軒は入るくらいだ。だから魔法や剣を訓練するための場所はたくさんあるんだけど。今日はこの後、畑仕事をする予定だったから、畑横で扇風機について考える事にしたんだよ。


『リョウパパ、かんがえてるとき、かぜふわぁがいい』


「ん? 分かった」


 普通にリョウと呼べば良いと、ミルフィーには言ったんだけど。何故かパパになってしまった俺。父さんとタイラーなんてその話しをした時、子供なのにパパか!! と大笑いされたよ。

 だけど結局パパに落ち着いてしまい、ミルフィーにはリョウパパと呼ばれている。14歳で子持ちになってしまった。


 そして扇風機の風が大好きなミルフィーは。普段何もしていない時や、俺が扇風機について考えている間なんか、。暇さえあれば扇風機の風をあびたり、遊んだりしている。誰もが1度はやった事があるであろう、アレもだ。


『あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛』


 そう、扇風機の前に陣取って、あ~と声を出して、宇宙人の真似をするアレだ。こんなこともできるぞと、なんとなく教えてやったら、それをとても気に入って。いまでは『あ』だけではなく、言葉、歌と、いろいろ試して楽しんでいるぞ。


『お゛や゛つ゛は゛な゛に゛が な゛~』


 今みたいにな。ま、楽しんでくれているならそれで良い。そうそう、ちなみにミルフィー。歳は1歳で、子フェアリーラビットなんて言っていたけど、まだまだ赤ちゃんだった。他のフェアリーラビットに比べて、小さかったわけだよ。


 ということで、今日はステータスに表示されていた、扇風機のトリミング能力について、考える事にした。


 トリミング。そのままの意味だとは思うんだけど。でもトリミングって、シャンプーとかブローとかカットとか、そういう全部ひっくるめて、トリミングって言ったような? 扇風機でカット? 乾かすなら分かるけど。


 う~ん、まずは扇風機の風で、乾かすことから考えてみるか。その後でカットの事も考えてみよう。考えやすい物からやっていかないと、いつまでたっても、次に進めなさそうだし。乾かすのはドライ?


 何て、いろいろと考えていく。ミルフィーをシャンプーしてあげて、乾かしてみるかな? だけどまだ赤ちゃんだし、洗って大丈夫なのか?


 そうだ! タイラーに実験台になってもらうか。タイラーは毛が短いから、もしも扇風機の風で乾かせなくても、自然にサッサと乾くし。扇風機が使えなくても問題ないはずだ。


『おい、心の声が漏れてるぞ。俺を実験台にするな』


 タイラーの結界で、中にいれば魔獣は大丈夫だけど。記憶喪失の俺を心配して、タイラーが後から来てくれていたようで。どうやら口に出していたらしく、タイラーにジト目で見られた。


「だってさ、赤ちゃんのミルフィーを洗ってあげるのは良いけど。すぐに乾かなかったら、具合が悪くなるかもしれないだろう」


『それはそうだが、何故俺なんだ? お前やカーライルだって良いだろう』


「俺はほら、魔法に集中しないと。父さんは髪の毛に煩いだろう? 乾いた後、毎回綺麗にセットしてるし。こだわりがさ、面倒じゃん」


『はぁ、それで俺か』


「頼むよ、タイラー。今度クッキーを多めに作るからさ」


『ふむ、お前の作るクッキーか。お前の作るクッキーは、お店のよりも美味しいからな』


 この世界にもクッキーがあって。街で材料を買って家で焼いてあげたら、みんなに大好評で。今度また作る約束をしていたんだ。


「どうだ?」


『はぁ、クッキーなんて言っているが、関係なくても結局はやる気だろう。分かった分かった。明日狩りに行くから、その後にやってくれ。どうせ汚れて帰って来て、水浴びする予定だからな。クッキーは倍で頼むぞ』


「ありがとう、タイラー!!」


 と、タイラーにお礼を言った時だった。森の奥からブ~ンッと、低い、大きな音が聞こえてきて、俺達は音の方を見た。何とそこには、黒い波のように押し寄せてくる、大軍の野菜虫の姿が。


「何だあの量!?」


「最近気候が良くて、草がいつもよりも育っていたからな。奴らもやっぱり増えたか。野菜の匂いを嗅ぎつけてやってきたな」


 野菜虫、それは野菜を食べてしまう害虫だ。指先サイズの虫なんだけど野菜が大好きで、最低でも200匹以上の群れで動くから。畑の野菜が狙われると1時間もしないで、半分の野菜がやられてしまうんだ。


 最近野菜虫が活動するには、良い気温だったみたいで、少しずつ増えていたから、みんなで警戒していたんだけど。今こちらへ向かってきている野菜虫は、どう考えても1000を超える群れだった。


 なぜタイラーの結界があるのに、俺達がこんなに慌てているか。それはタイラーの結界が、魔獣にしか効かないからだ。その辺よく分からないけど、虫系の魔獣は入れないが、小さな弱い普通の虫は、結界を通れちゃうみたいで。


 野菜を育てるには虫の力も必要だから、普段は困らないんだけど。野菜虫など害虫も、入れたくなくても入って来ちゃうんだよ。


『俺は火魔法が苦手だからな、すぐにカーライルを呼んでくる。リョウは奴らが嫌がる匂いを撒いておいてくれ!!』


「分かった!!」


 タイラーが家に走り出し、俺は急いで小屋に向かい、小屋からある液体を持ってきた。ドグという薬草をすりつぶして煮た液体で。俺やミルフィー、他のみんなは気にならないんだけど。野菜虫はこの薬草の液体の匂いが嫌いだから。これを撒いた所には、野菜虫が寄りにくくなるんだ。


「ミルフィー、俺から離れるなよ!」


『うん!!』


 ミルフィーを頭に乗せながら、俺は液体の入っている瓶の蓋を開けた。

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