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セカンドファイア  作者: ぐれこりん。
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第2話 お披露目

翌週。資料は完成した。花丸教授に見てもらう。


花丸

「ふぅむ。ほぉ、まぁいいだろ。後は僕が添削して論文として仕上げておくよ」


「はぁ。満足いただけたならそれでいいですけど、マテリアルスコープの方はどうなりました?」


花丸

「大幅な改善とまでは行かなかったがヘッドセットの機能をオンオフにできるようにしておいたぜ。オンオフ切り替えることが出来れば入り込まれるようなことが会った時、直ぐに回避させることが出来る、はずだ」


「ヘッドセットを取り外すのだけではダメなんでしょうか?」


花丸

「ダメだ。オフにする事で付ける前の状態に戻す必要がある。余計な事は考えなくていい。それに、こっちに来る意思が不明瞭な霊体や、拡大して見ないといけない霊体がいた時に役立つはずだぜ?最も資金がもっとありゃあ色々組み込みたい機能はあるんだがなー。ほぼ自腹だからな、このスコープ」


「…あはは、せめて元が取れるといいですね」


花丸

「全然期待してないな? 助手がそんなんでいいのかい?」


「この実験のお給料はまだ出ていませんもの。興味本位で付き合っていると言っていただきたい」


花丸

「は光くんがやる気を出してもらう為にも成功させないとな」


教授はそういうと資料の添削にかかった。学会の研究発表会は数日後。マテリアルスコープの発表に学会員達がどのような反応を示すのか楽しみで仕方なかった。その反面妙な胸騒ぎもしていた。もし上手くいかなったら?もしこき下ろされることになったなら?ここで認められなくては次へ進むことは出来ない。発表会当日に私達の運命が掛かっている。


……。


発表会当日。


研究発表会の会場は他府県を1つまたいだ先にある為、教授はバンをレンタルし、発表機材を詰め込んで10:30から出発した。開始は午前2時。ホールのような多目的会館。ここで発表が行われると思うと血が沸き立つ思いだ。発表するのは教授だが助手として私も手伝いをするため粗相のないよう気をつけなければいけない。


「…ふぅ、緊張してきました…。上手くいくでしょうか…」


花丸

「いくといいんだがな。この会場に幽霊がいるかどうかにも掛かってる。とりあえず査読で認めてもらって研究費用を出してもらわなきゃな。何としても発表を成功させるんだ」


元々超心理学の研究発表だ。信頼性と実用性はどの学会員の論文も発表物も眉唾なものなのだけれど、まずはこのスコープで覗いた先の風景を認めてもらわなくては話にならない。【このスコープがただの万華鏡であってはならないのだ。】いよいよ花丸教授の発表番が回ってきた。覚悟を決めなければ…。


花丸

「それでは発表を行います。前回霊体を可視化する手段として人間の脳には不用意な情報にバイアスが掛かっている内容の論文を発表しました。そのバイアスを解除するためには平常意識強度の低下、脳回路の【チャンネル】を固定周波数に合わせる必要があります。そうしなければ霊体の可視化には至らないといった内容のものです。したがってその脳回路の固定周波数の特定と、意識強度の軟化の方法を探る為、幽霊を可視化できる霊能力者100人の脳波を測定し、彼らの意識強度がどの程度のものなのか調査致しました。以後霊能力者は被験者と呼称します」


花丸教授はパソコンを操作しスクリーンに資料を映し出す。


花丸

「固定周波数の特定には最新の脳波計とスイッチングレギュレーターを組み合わせた物を使いました。脳の周波数を特定できるよう数値化させ、被験者が幽霊を見た、と判断した際の脳波数値を特定しました。まずは外が見える個室をパーテーションで区切らせてもらい、区切ったパーテーションごとに被験者1人1人席に座ってもらいます。脳波を図るヘッドセットをつけてもらい、じっと外を眺めてもらいます。そして2名同時に幽霊が見えた瞬間手元のボタンを押して頂きその時点での脳波を記録していき、何度か試行回数を増やしていきます」


花丸教授はスクリーンに記録したであろうデータを映し出す。


花丸

「脳波はデルタ、シータ、アルファ、ベータ波として表されます。上から順に波形が徐々に尖っている形、下へ行くほど言わば覚醒が強い状態です。被験者が幽霊を見た、と判断した際の脳波は上から1名、15名、39名、45名。ベータ波で幽霊が見えたと判断した被験者が半数近くにまで登ります」


学会員

「1人のヤツは寝ていたんじゃないかね…?」


学会員達の中からクスクスと笑い声が聞こえる。


花丸

「全員の脳波の数値を測定し、数値化しました。ここでは便宜上数値名を【VHzと名付けさせてもらいます。】シータ波の被験者の数値は4~8VHz。アルファ波の被験者の数値は8~13VHz。ベータ波の被験者の数値は13~18VHz。そしてなだらかなデルタ波の被験者の数値、これが驚いた事に21VHzでした」


なだらかな睡眠状態を意味するデルタ波。しかしその数値は最も高い21VHz。


花丸

「【彼女は寝ていませんでした。しっかり覚醒した状態で実験に望んでいたのです。】この表をご覧下さい」


花丸はスクリーンに脳波を映し出す。なだらかなデルタ波。しかし花丸はスクリーンのデルタ波を徐々に拡大していく。


花丸

「なだらかなデルタ波です。しかしよく見れば波の中に【波が】ある。この脳波、震えているように波立っています。この波により21VHzまでに至っているのです。私は他の被験者達より彼女の脳波に注目しました。何とかこの特異な状態の脳波にチャンネルを合わせられないかと考えたのです。光助手、お願いします」


来た。ついに【マテリアルスコープを出す時が来た。】私は台車を押してマテリアルスコープをスクリーンの前まで移動させ、ケースを開け、その姿をお披露目する。一応に周囲の学会員達は注目する。


花丸

「…ついに幽霊が見えることを証明する時が来たな!」

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